悪性黒色腫

概要

悪性黒色腫はメラノサイト由来の高度悪性皮膚腫瘍であり、皮膚・粘膜・眼などに発生する。進行が速く、早期転移をきたしやすいことが特徴である。発症頻度は低いが、予後不良のがんである。

要点

  • メラノサイト由来の悪性腫瘍で早期転移が多い
  • 皮膚だけでなく粘膜や眼にも発生しうる
  • 早期発見・切除が予後改善の鍵となる

病態・原因

紫外線曝露や遺伝的素因がリスク因子とされる。メラノサイトの異常増殖により発症し、表皮から真皮へ、さらにリンパ節・臓器へと転移しやすい。特に白人に多く、皮膚の色素が薄いことがリスクとなる。

主症状・身体所見

初期は色素性母斑との鑑別が困難なこともあるが、非対称性、不整な辺縁、多彩な色調、増大傾向、出血や潰瘍形成などが特徴的である。足底や爪下、顔面にも好発する。

検査・診断

検査所見補足
ダーモスコピー非対称性、色調の多様性、網状構造の消失早期診断の補助となる
生検悪性メラノサイトの増殖・異型性病理組織診断が確定診断となる
画像検査リンパ節・遠隔転移の有無CTやPETで進行度評価に用いる

診断は皮膚所見とダーモスコピー所見から疑い、確定には全層生検による組織診断が必須。進行例ではCTやPETによる転移検索も重要である。

治療

  • 第一選択:外科的切除(広範囲切除+センチネルリンパ節生検)
  • 補助療法:免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、化学療法
  • 注意点:早期発見・切除が予後を大きく左右し、進行例では再発・転移に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
母斑増大傾向や不整な色調・形状が少ないダーモスコピーで規則的構造
基底細胞癌真珠様光沢、潰瘍形成が特徴病理でメラニン産生なし
有棘細胞癌角化性の腫瘤や潰瘍、色素沈着が乏しい組織像で角化細胞由来

補足事項

日本人では足底や爪下に多く、色素が薄い皮膚に発生しやすい。近年は免疫療法の進歩により進行例でも生存率が改善しつつあるが、依然として早期発見が重要である。

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