有棘細胞癌
概要
有棘細胞癌は表皮の有棘細胞から発生する悪性腫瘍で、皮膚や粘膜、頭頸部、食道などに生じる。日光曝露や慢性炎症が発症リスクとなり、局所浸潤・転移の可能性がある。基底細胞癌よりも悪性度が高く、進行例では予後不良となる。
要点
- 表皮有棘細胞由来の悪性腫瘍
- 局所浸潤・リンパ節転移をきたしやすい
- 日光曝露や慢性炎症が主なリスク因子
病態・原因
紫外線曝露、熱傷や慢性潰瘍などの慢性炎症、放射線照射、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染などが発症リスクとなる。有棘細胞の異常増殖により腫瘍形成し、基底膜を越えて浸潤・転移する。
主症状・身体所見
皮膚では紅色の結節や潰瘍、びらんとして発生し、表面は角化や出血を伴うことが多い。頭頸部や食道では腫瘍による嚥下障害やしこり、リンパ節腫脹などがみられる。進行例では疼痛や浸潤症状も出現する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚生検 | 異型有棘細胞の増殖・角化真珠 | 組織診断が必須 |
| 画像検査(CT/MRI) | 腫瘍の局所浸潤・転移の評価 | リンパ節・遠隔転移検索 |
| ダーモスコピー | 角化・血管拡張所見 | 鑑別診断に有用 |
組織診断が確定診断となり、腫瘍の深達度や分化度、脈管侵襲の有無も評価する。画像検査で局所進展やリンパ節・遠隔転移の有無を調べる。
治療
- 第一選択:外科的切除(マージンを十分確保)
- 補助療法:放射線療法、化学療法(進行例や切除不能例)
- 注意点:早期発見・切除が重要、定期的な再発・転移チェック
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 基底細胞癌 | 黒色調・光沢・中心陥凹 | 角化真珠なし、転移稀 |
| Bowen病 | 表皮内限局性、隆起少ない | 真皮浸潤なし、表皮内に限局 |
補足事項
日光曝露部位(顔面、手背など)に好発し、高齢者に多い。免疫抑制患者では発症リスクがさらに増加する。再発や転移例では予後不良となるため、早期診断・治療が重要である。