急性骨髄性白血病

概要

急性骨髄性白血病(AML)は、骨髄における造血幹細胞の異常増殖と分化障害により、未熟な骨髄芽球が増加する悪性疾患。主に成人に多いが、小児にも発症する。進行が急速であり、早期診断と治療が予後改善に重要となる。

要点

  • 骨髄芽球の異常増殖による造血障害
  • 急速な経過と致死性の高さ
  • 化学療法が治療の中心

病態・原因

造血幹細胞に生じた遺伝子異常や染色体転座が原因となり、骨髄系細胞の分化が障害される。これにより未熟な芽球が骨髄や末梢血に増加し、正常造血が抑制される。環境要因(放射線、化学物質)、既存の骨髄疾患からの進展もリスクとなる。

主症状・身体所見

貧血による全身倦怠感、易疲労感、出血傾向(紫斑、歯肉出血)、発熱や感染症が主な症状。脾腫やリンパ節腫脹はまれだが、骨痛や歯肉腫脹を認めることもある。進行例では白血病細胞の浸潤による臓器障害も生じうる。

検査・診断

検査所見補足
末梢血液・骨髄塗抹芽球増加(20%以上)骨髄穿刺が必須
染色体・遺伝子検査特定の転座・遺伝子異常t(8;21), inv(16)など
生化学・凝固系検査LDH上昇、DIC所見予後や合併症評価

骨髄中の芽球比率が20%以上で診断される。染色体異常や分子遺伝学的異常の同定も重要で、予後や治療方針決定に用いられる。画像検査は臓器浸潤の評価に行う。

治療

  • 第一選択:寛解導入化学療法(アントラサイクリン+シタラビン)
  • 補助療法:支持療法(輸血、抗菌薬)、造血幹細胞移植
  • 注意点:治療関連合併症(感染、DIC)管理と早期対応

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性リンパ性白血病小児に多く、リンパ芽球増加骨髄検査でリンパ系芽球
骨髄異形成症候群進行が遅く、芽球比率20%未満骨髄異形成所見が主体

補足事項

AMLはサブタイプごとに治療反応性や予後が異なり、分子遺伝学的分類が進んでいる。高齢者や合併症例では治療選択に工夫が必要。新規分子標的薬の開発も進行中。

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