微弱陣痛
概要
微弱陣痛は、分娩時における子宮収縮の強さや頻度が不十分で、分娩進行が遅延・停止する状態を指す。主に原発性(発症初期から弱い)と続発性(進行中に弱くなる)に分類される。分娩の遷延や母児合併症のリスクとなる。
要点
- 子宮収縮の強度や頻度が不十分で分娩進行が遅延
- 原因は子宮筋の機能低下、過度な疲労、児頭骨盤不均衡など
- 適切な管理により母児の予後改善が可能
病態・原因
微弱陣痛は、子宮筋の収縮力低下や協調性の欠如によって発生する。高齢初産婦、過度な子宮拡張、精神的ストレス、疲労、児頭骨盤不均衡、羊水過多症などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
分娩時の陣痛が弱く、間隔が長い、持続時間が短い、または痛みが軽度である。子宮口開大や胎児下降の進行が遅いことが特徴的。母体の疲労や焦燥感もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 内診 | 子宮口開大・進行の遅延 | 胎児下降不良も併せて確認 |
| 陣痛計測(分娩監視装置) | 陣痛強度・頻度の低下 | 子宮収縮圧・パターンを評価 |
| 超音波検査 | 胎児・羊水・胎盤の状態評価 | 骨盤計測や児頭位置も参考 |
陣痛の強さ(60mmHg未満)、頻度(10分間に2回以下)、分娩進行の遅延が診断の目安となる。児頭骨盤不均衡や他の分娩異常の除外も重要である。
治療
- 第一選択:陣痛促進薬(オキシトシン静注)、適切な水分・栄養管理
- 補助療法:母体の安静と休息、精神的サポート、体位変換
- 注意点:児頭骨盤不均衡や胎児機能不全の除外、過強陣痛への注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 過強陣痛 | 陣痛が過度に強く頻回 | 陣痛計で高圧・頻回を示す |
| 児頭骨盤不均衡 | 陣痛は正常でも分娩進行しない | 骨盤計測・児頭位置異常 |
補足事項
分娩管理においては、微弱陣痛の早期発見と適切な対応が母児予後の改善に直結する。過度な陣痛促進は子宮破裂や胎児機能不全のリスクとなるため注意が必要。