弓状子宮
概要
弓状子宮は子宮の先天奇形の一つで、子宮腔の底部中央が軽度に陥凹して弓状を呈する状態を指す。中隔子宮や双角子宮などと比較し、臨床的意義は小さいことが多い。多くは無症状で偶然発見されるが、不妊や流産との関連が指摘される場合もある。
要点
- 子宮腔底部の中央が軽度に陥凹する先天奇形
- 多くは無症状で経過し、偶発的に発見される
- 不妊や流産との関連が一部で報告されている
病態・原因
弓状子宮は胎生期におけるミュラー管の癒合・吸収異常によって生じる。中隔子宮や双角子宮と同様に、ミュラー管由来の発生異常が原因であるが、癒合不全は軽度であるため形態変化も軽い。
主症状・身体所見
多くは自覚症状がなく、婦人科検診や不妊検査、流産精査などで偶然発見される。稀に不妊や流産、月経異常の原因となることがあるが、明確な症状を呈することは少ない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 経腟超音波 | 子宮腔底部の中央に浅い陥凹を認める | 他の子宮奇形との鑑別に有用 |
| 子宮卵管造影 | 子宮底部の中央に弓状の陥凹像 | 形態評価に有用 |
| MRI | 子宮腔形態の詳細な評価が可能 | 中隔子宮などとの鑑別に有用 |
弓状子宮の診断は、超音波検査や子宮卵管造影、MRIなどの画像診断で行う。他の子宮奇形(中隔子宮、双角子宮)との鑑別が重要であり、子宮腔底部の陥凹の深さや外形の違いがポイントとなる。
治療
- 基本的に治療不要(無症状例が多い)
- 不妊や流産反復例では手術(子宮形成術)を検討
- 他の子宮奇形との鑑別・合併症の評価が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 中隔子宮 | 子宮腔底の陥凹が深く、外形は正常 | MRIで中隔の厚み・長さが明瞭 |
| 双角子宮 | 子宮外形が明らかに分かれ、腔も2つに分離 | MRIや造影で子宮体部が明確に分離 |
| 単角子宮 | 子宮が片側のみ発達し、腔が一側性 | MRIで片側性の子宮形態 |
補足事項
弓状子宮は臨床的意義が小さく、治療介入を要することは少ない。不妊や流産との関連については議論があり、症例ごとに対応を検討する。