川崎病
概要
川崎病は主に乳幼児に発症する全身性の中型血管炎であり、原因不明ながら急性発熱と特徴的な皮膚・粘膜症状を呈する。冠動脈瘤など心血管合併症が重篤な転帰をとることがあるため、早期診断と治療が重要となる。
要点
- 乳幼児に多発し、発熱と多彩な皮膚・粘膜症状を呈する
- 冠動脈瘤形成など心血管合併症が主な予後規定因子
- 早期の免疫グロブリン大量療法が治療の中心
病態・原因
川崎病は原因不明の全身性中型血管炎で、遺伝的素因や感染症との関連が示唆されている。免疫異常による血管炎が主病態であり、特に冠動脈を含む全身の血管に炎症が及ぶ。
主症状・身体所見
持続する高熱、両側眼球結膜充血、口唇・口腔粘膜の変化(いちご舌など)、多形紅斑様発疹、四肢末端の変化(硬性浮腫や膜様落屑)、非化膿性頸部リンパ節腫脹が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 白血球増多、CRP・ESR上昇、血小板増多 | 炎症反応と血小板増多が特徴的 |
| 心エコー | 冠動脈拡張・瘤形成 | 合併症の早期発見に必須 |
| 尿検査 | 無菌性膿尿 | 尿路感染症との鑑別に有用 |
診断は臨床症状(主要6徴候中5つ以上)を中心に行い、心エコーで冠動脈病変の有無を確認する。画像では冠動脈拡張や瘤形成が診断の決め手となる。
治療
- 第一選択:免疫グロブリン大量静注療法+アスピリン
- 補助療法:不応例にステロイドや免疫抑制剤
- 注意点:冠動脈瘤のフォローアップと心血管管理が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 麻疹 | 咳や鼻汁、コプリック斑を伴う | 特異的IgM抗体陽性 |
| 猩紅熱 | 扁桃炎・苺舌・皮疹・落屑が類似 | 溶連菌迅速検査陽性 |
| 伝染性単核症 | 咽頭痛・リンパ節腫脹・肝脾腫 | 異型リンパ球増多、EBV抗体 |
補足事項
川崎病は日本人に多く、心血管合併症の予防が治療の最大目標である。発症早期の治療介入が心血管合併症リスクを大幅に減少させる。