猩紅熱
概要
猩紅熱はA群β溶血性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)感染によって発症する急性発疹性疾患。主に小児に多く、咽頭炎や発熱、特徴的な発疹を呈する。適切な抗菌薬治療により予後は良好だが、リウマチ熱などの合併症に注意が必要。
要点
- A群β溶血性連鎖球菌感染が原因
- 小児に多い発疹性疾患
- 迅速な抗菌薬治療が重要
病態・原因
A群β溶血性連鎖球菌が産生する発赤毒素(エリスロトキシン)によって発疹などの症状が引き起こされる。飛沫感染や接触感染が主な伝播経路であり、冬季から春季に流行しやすい。
主症状・身体所見
咽頭痛、発熱、全身の紅色丘疹性発疹、口囲蒼白、苺舌が特徴的。発疹は体幹から四肢に広がり、落屑を伴うこともある。頸部リンパ節腫脹や咽頭発赤も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 咽頭培養 | A群β溶血性連鎖球菌検出 | 診断の確定 |
| 咽頭迅速抗原検査 | 陽性 | 簡便・迅速 |
| 血液検査 | 白血球増多、CRP上昇 | 炎症所見の確認 |
臨床症状(発熱、発疹、苺舌、咽頭炎)と咽頭培養または迅速抗原検査でA群溶連菌感染を証明することで診断する。合併症の評価には尿検査や心電図も考慮される。
治療
- 第一選択:ペニシリン系抗菌薬(アモキシシリンなど)
- 補助療法:解熱鎮痛薬、水分補給、安静
- 注意点:治療中断による合併症(リウマチ熱、腎炎)に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 川崎病 | 5日以上の発熱、眼球結膜充血、手足の腫脹 | 溶連菌培養陰性、CRP高値 |
| 伝染性紅斑 | 頬部の蝶形紅斑、発熱は軽度 | 溶連菌培養陰性、B19抗体陽性 |
補足事項
抗菌薬治療により伝染性は24時間以内に失われる。リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの続発症を予防するため、処方された抗菌薬は必ず全量服用することが推奨される。