好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

概要

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を基盤に発症する中小血管の壊死性血管炎であり、好酸球の増多と肉芽腫形成を特徴とする。多臓器障害を呈し、主に呼吸器、皮膚、末梢神経などに病変がみられる。抗好中球細胞質抗体(ANCA)が陽性となる場合もある。

要点

  • 好酸球増多を伴う壊死性血管炎であり、喘息を基礎疾患とする
  • 多臓器障害(肺、皮膚、末梢神経など)が出現
  • 治療はステロイドを中心に免疫抑制薬を併用

病態・原因

本症はアレルギー性素因を背景に、好酸球の異常増殖と活性化による組織障害が発生し、さらに血管炎や肉芽腫形成が加わることで多臓器障害を引き起こす。病因には遺伝的素因や環境要因、自己免疫機序が関与する。

主症状・身体所見

喘息発作やアレルギー性鼻炎が前駆症状として現れ、続いて発熱、全身倦怠感、体重減少などの全身症状が出現する。好酸球増多による肺浸潤影、皮膚紫斑、末梢神経障害(多発単神経炎)が特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
血液検査好酸球増多、CRP上昇IgE高値もみられる
ANCA検査MPO-ANCA陽性例がある陽性率は約30-40%
胸部画像移動性肺浸潤影両側性・多発性が多い
神経伝導検査多発単神経炎の所見末梢神経障害の評価に有用

臨床診断は喘息既往、好酸球増多、組織での血管炎・肉芽腫・好酸球浸潤、多臓器障害の存在などをもとに行う。画像では移動性肺浸潤影や副鼻腔炎所見が特徴的である。

治療

  • 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
  • 補助療法:免疫抑制薬(シクロホスファミド、アザチオプリンなど)、生物学的製剤(メポリズマブ等)
  • 注意点:感染症リスクの増加、再発の予防管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
顕微鏡的多発血管炎好酸球増多・喘息は認めないMPO-ANCA陽性率が高い
多発血管炎性肉芽腫症上気道・腎障害が目立つPR3-ANCA陽性が多い
アレルギー性肉芽腫性血管炎旧称EGPA、同一疾患同一疾患

補足事項

近年、メポリズマブなどの抗IL-5抗体製剤が重症例や再発例に有効とされる。ANCA陽性と陰性で臨床像や予後が異なることが報告されている。

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