低栄養

概要

低栄養は、エネルギーや必須栄養素の摂取不足により、身体機能や生体恒常性が障害される状態である。高齢者や慢性疾患患者で頻度が高く、フレイルや感染症、予後不良のリスク因子となる。

要点

  • 摂取不足や吸収障害、消費亢進が主な原因
  • 筋力低下、免疫力低下、褥瘡など多彩な合併症
  • 早期発見と適切な栄養管理が重要

病態・原因

低栄養は、食事摂取量の減少、消化・吸収障害、慢性炎症や悪性腫瘍による消費亢進などが主な発症機序となる。高齢化や基礎疾患、社会的要因(孤立・経済的困窮)もリスク因子である。

主症状・身体所見

体重減少、筋肉量減少、皮下脂肪減少、全身倦怠感がみられる。進行例では浮腫、褥瘡、易感染性、創傷治癒遅延、毛髪や皮膚の変化なども認められる。

検査・診断

検査所見補足
血清アルブミン低値栄養状態の指標
総リンパ球数低値免疫能低下の評価
BMI18.5未満低体重の判定基準

診断は臨床症状、体重・BMI、血液検査(アルブミン・プレアルブミン・トランスフェリンなど)を総合して行う。GLIM基準やMNA(高齢者)などのスクリーニングツールも活用される。

治療

  • 第一選択:経口または経腸的栄養補給
  • 補助療法:基礎疾患治療、リハビリテーション、ビタミン・微量元素補充
  • 注意点:再栄養症候群の予防、定期的な栄養評価

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
吸収不良症候群下痢や脂肪便、特定栄養素欠乏便検査・ビタミン吸収低下
神経性食思不振症心因性摂食制限・若年女性に多い精神科的評価・ホルモン異常
クワシオルコル・マラスムス小児での極端な栄養不足低蛋白血症・浮腫・成長障害

補足事項

高齢者や慢性疾患患者ではサルコペニアやフレイルの背景として重要であり、早期介入がQOL維持や予後改善に寄与する。再栄養症候群のリスク評価も忘れてはならない。

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