褥瘡
概要
褥瘡は長時間の圧迫により皮膚およびその下の組織が虚血・壊死をきたす病変。高齢者や寝たきり患者に多く、予防と早期対応が重要となる。進行すると深部組織の壊死や感染を合併しやすい。
要点
- 長時間の圧迫による皮膚・軟部組織の虚血壊死
- 高齢者や寝たきり患者で発生しやすい
- 感染や全身合併症をきたすことがある
病態・原因
持続的な圧迫により毛細血管の血流が阻害され、組織の虚血・壊死が生じる。リスク因子には長期臥床、低栄養、失禁、感覚障害、摩擦やずれ力などが挙げられる。
主症状・身体所見
仙骨部や踵など骨突出部に、発赤、水疱、びらん、潰瘍、壊死巣を認める。進行例では皮下組織や筋層、骨にまで及ぶことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 発赤、潰瘍、壊死 | 深達度分類(ステージ分類) |
| 細菌培養 | 感染の有無 | 滲出液・壊死組織から採取 |
| 血液検査 | 炎症反応、低栄養 | CRP、アルブミン、白血球数など |
臨床的には視診・触診によるステージ分類(I~IV度)が重要。必要に応じてMRIや超音波で深部感染・膿瘍の有無を評価する。
治療
- 第一選択:体位変換・除圧、創傷ケア(湿潤療法または外科的デブリードマン)
- 補助療法:栄養管理、感染対策、適切なドレッシング材の使用
- 注意点:再発予防のための体圧分散寝具やリスク評価の継続
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 壊死性筋膜炎 | 急速進行・激痛・全身症状強い | 画像・血液検査で重度炎症 |
| 蜂窩織炎 | 紅斑・腫脹・圧痛・発熱 | 深部まで及ぶ炎症像 |
補足事項
予防が最重要であり、定期的な体位変換やスキンケア、栄養評価が不可欠。慢性化や難治例では多職種連携による包括的アプローチが推奨される。