上腕骨外顆骨折
概要
上腕骨外顆骨折は、肘関節外側の上腕骨遠位部に発生する骨折で、特に小児に多い。転倒や肘への外力が主な原因となり、関節内骨折であるため転位や偽関節に注意が必要となる。
要点
- 小児に好発し、転倒や外傷が主な原因
- 関節内骨折であり、転位や偽関節形成のリスクが高い
- 適切な整復・固定が予後改善に重要
病態・原因
転倒時に手掌をついて肘関節に外反力が加わることで、上腕骨遠位外側の外顆部に骨折が生じる。特に骨の成長が未熟な小児に多く、関節包や靭帯付着部の牽引力も関与する。
主症状・身体所見
肘関節外側の腫脹と圧痛、運動時痛、可動域制限がみられる。明らかな変形や皮下出血、関節血腫を伴うこともある。神経障害(特に橈骨神経麻痺)を合併することがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線検査 | 外顆部の骨折線・転位 | 正面・側面像で確認 |
| CT検査 | 骨折の詳細評価、関節内転位の確認 | 重症例で追加 |
X線で骨折部の転位や粉砕の有無を評価する。転位の程度により治療方針が決まる。関節内骨折のため、正確な整復が重要である。
治療
- 第一選択:徒手整復・ギプス固定(転位少ない場合)、観血的整復固定(転位大きい場合)
- 補助療法:患部安静、鎮痛、リハビリテーション
- 注意点:偽関節形成や変形治癒、神経障害の早期発見に留意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 上腕骨顆上骨折 | 肘関節全体の腫脹・変形が強い | X線で骨折部位が異なる |
| 肘内障 | 亜脱臼で骨折は伴わない | X線で骨折線なし |
補足事項
骨端線損傷を合併しやすく、成長障害や肘の変形(外反肘)につながることがある。適切な経過観察とリハビリが重要である。