クワシオルコル・マラスムス

概要

クワシオルコルとマラスムスは、主に小児に発症する重度の栄養障害であり、タンパク質やエネルギーの欠乏が原因となる。クワシオルコルはタンパク質不足、マラスムスはカロリー不足が主体で、発展途上国で多くみられる。両者はしばしば混在し、重篤な発育障害や免疫低下を引き起こす。

要点

  • クワシオルコルは主にタンパク質不足、マラスムスはエネルギー不足が原因
  • 小児の発育障害や免疫機能低下、易感染性をもたらす
  • 治療には段階的な栄養補給と合併症管理が重要

病態・原因

クワシオルコルは主にタンパク質摂取不足、マラスムスは総カロリー摂取不足により発症する。貧困や飢餓、母乳の早期中断、感染症の併発がリスク因子となる。両者は長期的な栄養不良によって、成長障害や臓器機能障害を生じる。

主症状・身体所見

クワシオルコルでは浮腫、易感染性、皮膚や毛髪の変化、肝腫大が特徴的である。マラスムスでは著明な体重減少、皮下脂肪の消失、筋萎縮、発育遅延が目立つ。両者に共通して成長障害や精神発達遅滞がみられる。

検査・診断

検査所見補足
血清アルブミン低値(特にクワシオルコル)栄養状態の指標
身体計測(体重・身長)著明な低下成長曲線で評価
血液一般貧血、白血球減少免疫低下・合併症の把握

血清総蛋白やプレアルブミンも低値を示す。診断は臨床所見と身体計測、血液検査により行い、WHOの基準(体重/身長比や浮腫の有無など)も参考とする。

治療

  • 第一選択:段階的な栄養補給(初期は低浸透圧・低タンパク食から開始)
  • 補助療法:感染症治療、水・電解質補正、ビタミン・ミネラル補給
  • 注意点:急速な栄養補給による再栄養症候群の予防、合併症管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
低栄養浮腫や皮膚変化が乏しい血清アルブミンはやや低下
くる病骨変形・骨端腫脹が主症状血中カルシウム・ビタミンD低下
神経性食思不振症心因性・思春期発症が多いホルモン異常や心理的要因

補足事項

クワシオルコル・マラスムスは先進国でも摂食障害や慢性疾患に伴い発症することがある。再栄養症候群予防のため、慎重な栄養管理が必要である。早期発見と社会的支援が予後改善につながる。

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