バソプレシンアナログ
概要
バソプレシンアナログは、内因性バソプレシン(抗利尿ホルモン)に類似した合成薬剤群である。主に水分再吸収促進や血管収縮作用を持ち、出血や尿量異常の治療に用いられる。適応疾患は消化管出血や中枢性尿崩症など多岐にわたる。
要点
- バソプレシン受容体を刺激し抗利尿・血管収縮作用を発揮
- 消化管出血や中枢性尿崩症などに適応
- 副作用として低ナトリウム血症や血圧上昇に注意
薬理作用・機序
バソプレシンアナログはV1受容体刺激による血管収縮作用と、V2受容体刺激による腎集合管での水再吸収促進作用を有する。これにより止血効果や抗利尿効果を発揮する。
禁忌・副作用
冠動脈疾患や重篤な心不全患者には血管収縮作用による虚血リスクがあるため禁忌となる。副作用として低ナトリウム血症、水中毒、頭痛、血圧上昇、不整脈などが報告されている。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 食道静脈瘤 | 血管収縮作用 | 消化管出血時の止血目的 |
| 中枢性尿崩症 | 抗利尿作用 | バソプレシン欠乏補充 |
バソプレシンアナログは、主に消化管出血(特に食道静脈瘤破裂)や中枢性尿崩症の治療に用いられる。その他、尿量異常や一部のショック状態にも適応されることがある。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| テルリプレシン | 食道静脈瘤出血の止血 |
| デスモプレシン | 中枢性尿崩症、夜尿症 |
補足事項
テルリプレシンは日本で承認されている食道静脈瘤出血治療薬として重要である。デスモプレシンは抗利尿効果が強く、夜尿症や血友病の止血補助にも用いられる。