H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)

概要

H2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)は、胃壁細胞のヒスタミンH2受容体を遮断し、胃酸分泌を抑制する薬剤群である。消化性潰瘍や胃食道逆流症など酸関連疾患の治療に広く用いられる。プロトンポンプ阻害薬(PPI)登場以前は第一選択薬であった。

要点

  • 胃酸分泌を抑制し消化性潰瘍やGERDに有効
  • PPIより効果はやや劣るが即効性がある
  • 副作用は比較的少ないが高齢者や腎機能障害時は注意

薬理作用・機序

ヒスタミンH2受容体を競合的に遮断することで、胃壁細胞からの胃酸分泌を抑制する。食事やストレスなどによる胃酸分泌亢進にも効果を示す。

禁忌・副作用

重篤な肝障害や腎障害患者では投与量調整が必要であり、意識障害やせん妄などの中枢神経症状が高齢者で現れることがある。その他、発疹、下痢、肝機能障害、女性化乳房(シメチジン)などが報告されている。

適応疾患

疾患薬理作用補足
胃潰瘍胃酸分泌抑制急性・慢性どちらにも有効
十二指腸潰瘍胃酸分泌抑制再発予防にも使用される
胃食道逆流症胃酸分泌抑制軽症例や夜間症状に有用

消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)、胃食道逆流症(GERD)、薬剤性潰瘍など胃酸過多が関与する疾患に対して用いられる。PPIが使えない場合や軽症例、夜間症状の抑制にも適応がある。

薬品例

薬品名主に使われるケース
ファモチジン消化性潰瘍、GERD、予防
ラニチジン消化性潰瘍、GERD
シメチジン消化性潰瘍、GERD
ニザチジン消化性潰瘍、GERD
ロキサチジン消化性潰瘍、GERD

補足事項

PPIとの比較で効果はやや劣るが、即効性や夜間胃酸分泌抑制に優れる。薬剤間でCYP阻害作用など相互作用に差があるため、併用薬に注意が必要。2020年以降、ラニチジンは発がん性物質NDMA混入問題で一部製品が自主回収されている。

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