鼻骨骨折
概要
鼻骨骨折は、顔面外傷の中で最も頻度が高い骨折であり、主にスポーツや交通事故、転倒などの外力によって発生する。鼻出血や変形、腫脹などが特徴的で、整復や固定が治療の中心となる。
要点
- 顔面骨折の中で最も発生頻度が高い
- 鼻出血や変形、腫脹が主な症状
- 早期の整復・固定が重要
病態・原因
外部からの直接的な打撃や転倒、スポーツ外傷、交通事故などによる鼻部への衝撃が主な原因である。鼻骨は顔面骨の中でも突出しているため、比較的軽微な外力でも骨折しやすい。
主症状・身体所見
鼻出血、鼻部の腫脹、圧痛、皮下出血、鼻の変形(偏位)、呼吸障害(鼻閉)などがみられる。重症例では眼窩や上顎骨など他の顔面骨の損傷を伴うこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 触診・視診 | 変形、圧痛、動揺 | 鼻部の腫脹や偏位を確認 |
| X線単純撮影 | 骨折線、転位 | Waters法や側面像で評価 |
| CT検査 | 複雑骨折や合併損傷 | 詳細な骨折部位や他骨折の有無を評価 |
腫脹が強い場合は視診・触診での診断が難しいことがあり、画像診断が有用となる。CTは複雑骨折や他の顔面骨骨折の合併を評価する際に有用である。
治療
- 第一選択:徒手整復および外固定(ギプスやテーピング)
- 補助療法:鎮痛薬、抗菌薬投与、冷罨法
- 注意点:整復は腫脹がひく48~72時間以内に実施、再転位や鼻中隔血腫の有無に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 吹き抜け骨折 | 眼球運動障害、眼窩下壁の陥没 | CTで眼窩下壁骨折を確認 |
| 上顎骨骨折 | 上唇の知覚障害、顔面の広範な腫脹 | CTでLe Fort骨折型を評価 |
補足事項
鼻中隔血腫や膿瘍の発生に注意が必要で、放置すると鼻中隔穿孔や変形の原因となる。小児では成長障害のリスクもあるため、慎重な経過観察が求められる。