上顎骨折

概要

上顎骨折は顔面の上顎骨に生じる骨折で、交通事故や転倒、暴力などの外傷が主な原因となる。Le Fort分類により骨折の程度や範囲が評価され、顔面の構造損傷や咬合異常を伴うことが多い。適切な診断と治療が予後に直結する。

要点

  • 強い外力による顔面外傷で発生
  • 咬合異常や顔面変形が重要な臨床所見
  • 画像診断と早期固定・整復が治療の基本

病態・原因

上顎骨折は主に交通事故、転落、殴打などの高エネルギー外傷により発生する。Le Fort I~III型に分類されるように、骨折線の走行や顔面骨の連続性断裂が病態の特徴である。

主症状・身体所見

顔面腫脹、咬合異常、上顎の可動性亢進、鼻出血、顔面変形、知覚異常などがみられる。重症例では開口障害や眼球運動障害、視力障害を伴うこともある。

検査・診断

検査所見補足
顔面X線・CT骨折線、骨片転位Le Fort分類の判定に有用
口腔内診察咬合異常、歯牙動揺骨折の連続性・可動性評価

CT検査は骨折線や転位の詳細な評価に不可欠であり、Le Fort分類(I:水平型、II:ピラミッド型、III:頭蓋顔面分離型)による骨折の範囲判定が診断の基準となる。

治療

  • 第一選択:顎間固定・観血的整復固定術
  • 補助療法:抗菌薬投与、鎮痛、栄養管理
  • 注意点:早期整復、感染予防、視機能障害の有無確認

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
鼻骨骨折鼻部の限局腫脹・変形骨折部位が鼻骨に限局
下顎骨折下顎部の可動性・咬合異常下顎骨の骨折線・転位

補足事項

重症例では頭蓋底骨折や眼窩骨折を合併することも多く、神経・眼科的評価も重要となる。外傷初期は気道確保や全身状態の安定化を優先する。

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