腰椎椎間板ヘルニア
概要
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の髄核が線維輪を破って突出し、神経根や馬尾を圧迫することで腰痛や下肢症状を呈する疾患。好発年齢は20〜40代で、物理的負荷や加齢変性が関与する。保存的治療が多くの場合有効だが、重症例では手術も検討される。
要点
- 腰痛と下肢放散痛が主症状
- MRIで診断し、保存療法が基本
- 神経脱落症状や難治例は手術適応
病態・原因
椎間板の加齢変性や外傷、過度の負荷により線維輪が断裂し、髄核が突出して神経根や馬尾神経を圧迫する。喫煙や遺伝的素因、重労働などもリスク因子とされる。
主症状・身体所見
急性または慢性の腰痛、下肢への放散痛(坐骨神経痛)、しびれや感覚障害、筋力低下を認める。重症例では膀胱直腸障害や馬尾症状を呈することがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| MRI | 椎間板の突出、神経根圧迫像 | 診断のゴールドスタンダード |
| 単純X線 | 椎間腔狭小化など | 椎体変形や他疾患除外目的 |
| 神経学的検査 | Lasegue徴候陽性 | 下肢伸展挙上テストで疼痛誘発 |
MRIでの椎間板突出と神経根圧迫所見が診断の決め手となる。臨床症状と画像所見の一致が重要で、神経学的所見も診断の補助となる。
治療
- 第一選択:安静、消炎鎮痛薬、理学療法
- 補助療法:神経ブロック、装具療法
- 注意点:進行性麻痺や膀胱直腸障害出現時は緊急手術
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 腰部脊柱管狭窄症 | 間欠性跛行が主体、前屈で症状改善 | MRIで脊柱管全体の狭窄 |
| 腰痛症 | 放散痛や神経症状なし | 画像で明らかなヘルニアや狭窄なし |
補足事項
保存療法で改善しない場合や、重篤な神経障害が出現した場合は手術(ヘルニア摘出術)が考慮される。再発例や高齢者では治療選択に注意を要する。