脊柱分離症
概要
脊柱分離症は椎弓の連続性が断たれることで発生する脊椎の疲労骨折であり、特に腰椎で多くみられる。若年層のスポーツ選手に好発し、腰痛の原因となることが多い。進行すると脊柱すべり症を合併することがある。
要点
- 椎弓の疲労骨折による腰椎の構造異常
- 若年スポーツ選手の腰痛の重要な原因
- 進行で脊柱すべり症を伴うことがある
病態・原因
繰り返しの過伸展や回旋ストレスが椎弓部に加わることで、椎弓部の疲労骨折が生じる。特に成長期の骨が未成熟な時期に発生しやすい。遺伝的素因や骨の脆弱性もリスク因子となる。
主症状・身体所見
主な症状は運動時や腰部の過伸展時に増悪する腰痛である。神経症状は通常みられないが、進行例では下肢痛やしびれを伴うことがある。腰椎の叩打痛や可動域制限が認められる場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 単純X線撮影 | ”犬の首輪像”(スコッチテリアサイン) | 正面・斜位で評価 |
| CT/MRI | 椎弓部の骨欠損・偽関節形成 | 骨の連続性評価に有用 |
| 骨シンチグラフィ | 骨代謝亢進部位の集積 | 疲労骨折の活動性評価 |
X線斜位像でスコッチテリアサインが特徴的。CTで骨欠損の詳細がわかり、MRIは早期の骨髄浮腫や周囲組織の評価に有用。骨シンチグラフィで活動性の評価が可能。
治療
- 第一選択:安静・運動制限・コルセット装着
- 補助療法:理学療法・骨癒合促進目的の装具療法
- 注意点:早期発見・治療で骨癒合が期待できるが、進行例では手術が必要となる場合がある
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 腰椎椎間板ヘルニア | 下肢放散痛・神経症状が主体 | MRIで椎間板突出を確認 |
| 脊柱すべり症 | 椎体の前方移動を伴う | X線で椎体のすべりを確認 |
| 腰痛症 | 機械的腰痛のみで骨異常なし | 画像検査で異常を認めない |
補足事項
スポーツ活動の再開時期は骨癒合や症状の改善を確認して慎重に判断する。成長期の患者では骨癒合が期待しやすいが、成人例や慢性例では偽関節化しやすい。