脳幹出血

概要

脳幹出血は脳幹部(主に橋)に発生する出血性脳卒中で、高血圧を主因とする。生命維持中枢が集中し、重篤な意識障害や呼吸障害をきたしやすい。発症後の予後は極めて不良で、早期診断と迅速な対応が求められる。

要点

  • 脳幹部(特に橋)に発生する出血性病変
  • 高血圧が主な危険因子
  • 急激な意識障害や呼吸停止を呈し予後不良

病態・原因

脳幹出血は脳幹部の細動脈が高血圧などで破綻し、出血を生じることで発症する。出血は主に橋で多くみられ、動脈硬化や微小動脈瘤の形成がリスク因子となる。頭部外傷や血液疾患、抗凝固薬の影響も稀に関与する。

主症状・身体所見

突然の意識障害、対光反射消失、瞳孔不同、四肢麻痺、除脳硬直、呼吸障害などが特徴である。重症例では呼吸停止や心停止に至ることもあり、早期に昏睡状態へ陥ることが多い。

検査・診断

検査所見補足
頭部CT脳幹部(特に橋)に高吸収域を認める出血の大きさ・範囲評価
MRI出血部位の詳細な描出急性期はT2*強調像有用
血液検査凝固異常や基礎疾患の評価鑑別診断補助

CTで脳幹部の出血を確認することが診断の基本であり、MRIは出血の広がりや慢性期評価に有用。臨床症状と画像所見の一致が診断の決め手となる。

治療

  • 第一選択:呼吸管理・循環管理などの全身管理
  • 補助療法:高血圧是正、脳浮腫対策、必要時外科的減圧
  • 注意点:急性期は再出血や呼吸停止に注意、早期リハビリも検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
脳梗塞徐々に進行する神経症状が多いCTで初期は異常所見乏しい
小脳出血構音障害・失調優位、意識障害は遅発CTで小脳半球の出血
視床出血片麻痺・感覚障害、意識障害は軽度CTで視床部位の出血

補足事項

脳幹出血は全脳卒中の中でも発症頻度は低いが、救命率は極めて低い。高血圧管理が予防の鍵となる。重症例では人工呼吸管理や集中治療が必要となる。

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