脂漏性皮膚炎

概要

脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い部位に好発する慢性炎症性皮膚疾患で、紅斑や鱗屑を特徴とする。皮膚常在菌(特にマラセチア属真菌)の関与が示唆されている。乳児と成人に多く、再発しやすい傾向がある。

要点

  • 頭部や顔面、体幹など皮脂腺の多い部位に紅斑と鱗屑が出現
  • 慢性的な経過をたどり、再発しやすい
  • マラセチア属真菌の増殖や皮脂分泌異常が関与

病態・原因

皮脂分泌の盛んな部位で、皮膚常在菌であるマラセチア属真菌の増殖や皮脂成分の変化が主因となる。ホルモンバランスやストレス、免疫低下も発症リスクとなる。

主症状・身体所見

頭皮、顔面(眉間・鼻翼・耳周囲)、胸部、腋窩などに紅斑と脂っぽい鱗屑がみられる。かゆみは軽度〜中等度で、慢性経過や再発が特徴となる。

検査・診断

検査所見補足
皮膚所見紅斑・鱗屑・脂漏部位の炎症視診で診断が主体
真菌鏡検マラセチアの増殖確認必須ではないが補助的
病理組織検査表皮の軽度棘細胞増殖・浸潤鑑別困難例で施行

主に臨床症状と分布で診断するが、他疾患との鑑別が必要な場合は真菌検査や病理組織検査を行う。特異的な診断基準はない。

治療

  • 第一選択:抗真菌外用薬(ケトコナゾール、ミコナゾールなど)
  • 補助療法:ステロイド外用薬、亜鉛華軟膏、保湿剤
  • 注意点:長期ステロイド使用は避ける、再発予防のためスキンケア指導

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
アトピー性皮膚炎皮膚乾燥・強い掻痒・屈側優位IgE高値、家族歴
乾癬境界明瞭な紅斑・銀白色鱗屑・肘膝好発病理で表皮肥厚・Munro微小膿瘍

補足事項

HIV感染やパーキンソン病患者では重症化しやすい。乳児では頭部の「乳児脂漏性皮膚炎」として自然軽快することが多い。生活習慣や洗浄方法の見直しも重要である。

関連疾患