肺分画症
概要
肺分画症は、正常気管支と交通を持たない肺組織が存在し、異常な動脈血供給を受ける先天性肺奇形である。通常、胎生期の肺の分化異常により発生し、小児期に発見されることが多い。
要点
- 正常気管支との交通を持たない異常肺組織が特徴
- 異常な動脈(主に大動脈系)から血流供給を受ける
- 感染や呼吸障害の原因となることがある
病態・原因
胎生期に肺芽の一部が分化異常をきたし、正常な気管支と交通しない肺組織が形成される。異常肺組織は主に大動脈系から血流供給を受けるが、静脈還流は肺静脈または体静脈系となる。分画は肺内型と肺外型に分類される。
主症状・身体所見
反復性肺炎や呼吸困難、咳嗽、喀血などがみられることがあるが、無症状で偶然発見される場合も多い。小児では呼吸障害や感染症を契機に診断されることが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 胸部CT | 異常な肺組織と異常血管の描出 | 造影CTで動脈供給経路を明瞭化 |
| 血管造影 | 大動脈系からの異常血流供給 | 診断・手術計画に有用 |
| 超音波検査 | 胎児期に発見されることも | 胎児診断で重要 |
肺分画症の診断は画像診断が中心であり、特に造影CTや血管造影で異常血管の同定が決め手となる。胎児期には超音波で嚢胞性病変として指摘されることもある。
治療
- 第一選択:外科的切除(分画肺の切除)
- 補助療法:感染症に対する抗菌薬投与
- 注意点:術前の血管走行評価が不可欠
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 気管支性囊胞 | 気管支と交通し嚢胞性病変 | 異常血管供給なし |
| 先天性嚢胞性肺疾患 | 多房性嚢胞・気管支交通あり | 血管異常は伴わない |
補足事項
肺分画症は小児の反復性肺炎や呼吸障害の鑑別として重要であり、近年は胎児診断例も増加している。手術適応や術式選択には詳細な血管走行の評価が必須である。