肺欠損症

概要

肺欠損症は、胎生期に肺組織が発生しないか著しく発育不全となる先天性疾患であり、片側または両側の肺が欠如する。出生直後から重篤な呼吸障害を呈することが多く、生命予後に大きく関与する。

要点

  • 胎生期の発生異常による肺組織の欠如
  • 片側欠損が多く、両側欠損は致死的
  • 重度の呼吸不全や合併奇形を伴うことが多い

病態・原因

肺欠損症は胎児期の気管支芽の発生障害が原因で、肺実質や気管支、肺動脈などの構造が欠如する。多くは片側性で、右側より左側に多いとされる。しばしば心血管系や消化器系など他の先天奇形を合併する。

主症状・身体所見

出生直後からの呼吸困難やチアノーゼが主症状となる。胸郭の変形や患側の呼吸音消失、縦隔偏位なども認められる。重症例では新生児期早期に死亡することが多い。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線片側肺野の透過性消失縦隔偏位や横隔膜挙上も認める
CT/MRI肺組織・気管支の欠如合併奇形の評価にも有用
超音波検査胸腔内の空虚域新生児期の初期スクリーニングに有用

画像診断で肺実質や気管支、肺動脈の欠如を確認することが診断の決め手となる。胎児期の超音波検査で発見されることもある。

治療

  • 第一選択:支持療法(呼吸管理、酸素投与)
  • 補助療法:合併症対策、栄養管理
  • 注意点:他臓器合併奇形の評価と対応、重症例は予後不良

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
無気肺気道閉塞による肺の虚脱肺組織自体は存在する
肺分画症異常血管支配をもつ肺組織存在独立した肺組織が画像で確認可
巨大肺囊胞症肺組織はあるが嚢胞形成嚢胞性陰影が画像で認められる

補足事項

近年は胎児診断技術の進歩により出生前診断が可能となってきている。片側欠損の場合は残存肺の発達や合併奇形の有無が予後を左右する。両側性は極めて稀で基本的に致死的である。

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