糖原病Ⅶ型
概要
糖原病Ⅶ型はホスホフルクトキナーゼ(PFK)欠損により発症する糖原病で、主に骨格筋と赤血球に障害をもたらす。常染色体劣性遺伝形式をとり、運動不耐や溶血性貧血が特徴となる。小児期発症例が多い。
要点
- ホスホフルクトキナーゼの先天的欠損が本態
- 骨格筋障害による運動不耐と筋痛が主症状
- 溶血性貧血や高尿酸血症なども合併しうる
病態・原因
PFK酵素の遺伝子変異により解糖系が障害され、筋肉や赤血球でグルコース代謝が進まない。結果として筋グリコーゲンの利用障害や溶血が生じる。常染色体劣性遺伝で発症する。
主症状・身体所見
運動時の筋痛や筋けいれん、易疲労感、運動不耐が顕著である。重症例では安静時にも筋症状が出現し、溶血性貧血による黄疸や尿の色調変化もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 溶血性貧血、CK上昇、尿酸上昇 | 網状赤血球増加、間接ビリルビン上昇 |
| 筋生検 | グリコーゲン蓄積、PFK活性低下 | PAS染色陽性、酵素活性測定が決定的 |
| 遺伝子検査 | PFKM遺伝子変異 | 確定診断に有用 |
筋生検でのPFK活性測定と遺伝子解析が診断の決め手となる。血液像では溶血性貧血、血清CKや尿酸の上昇も参考となる。
治療
- 第一選択:対症療法(運動制限、症状管理)
- 補助療法:高タンパク・高脂肪食、尿酸・貧血管理
- 注意点:激しい運動回避、急性腎障害や横紋筋融解症に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖原病Ⅴ型 | ミオグロビン尿が目立つ、筋グリコーゲンホスホリラーゼ欠損 | PFK活性正常、ホスホリラーゼ活性低下 |
| 糖原病Ⅱ型 | 全身臓器障害、乳児期心筋症 | 酸性α-グルコシダーゼ活性低下 |
| ミトコンドリア筋症 | 解糖系障害はなく、ミトコンドリア異常 | 乳酸上昇、ミトコンドリアDNA異常 |
補足事項
日本では稀な疾患であるが、欧米では家族性発症の報告がある。新規治療法として遺伝子治療の研究も進行している。