穿孔性眼外傷
概要
穿孔性眼外傷は、眼球壁を貫通する外力によって生じる重篤な眼外傷であり、失明リスクが高い。主に鋭利な物体や高エネルギー外力による損傷が原因となる。早期の診断と適切な治療が視力予後を左右する。
要点
- 眼球壁(角膜・強膜)の全層を貫通する外傷
- 失明や眼球萎縮など重篤な合併症をきたしやすい
- 速やかな手術的治療と感染予防が不可欠
病態・原因
穿孔性眼外傷は、鋭利な器具や金属片、ガラス片などによる直接的な外力で眼球壁が全層断裂し、眼内構造の露出や脱出を伴う。職業災害や交通事故、日常生活での不慮の事故が主な原因となる。
主症状・身体所見
激しい眼痛、急激な視力低下、眼球変形、前房の浅化や消失、虹彩・水晶体・硝子体の脱出が認められる。眼内出血や前房出血、眼球内容物の露出も特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼科的視診 | 創口、眼球変形、内容物脱出 | ルーペや細隙灯で観察 |
| 画像検査(CT) | 眼球壁の全層断裂、眼内異物の有無 | MRIは禁忌(磁性異物例) |
| 眼圧測定 | 著明な低下または測定不能 | 穿孔例では慎重に施行 |
穿孔の有無は視診や細隙灯検査で確認し、眼内異物や骨損傷の評価にはCTが有用。MRIは磁性異物の可能性がある場合は禁忌。診断は外傷歴と臨床所見、画像所見を総合して行う。
治療
- 第一選択:緊急手術による眼球壁縫合・眼内異物摘出
- 補助療法:広域抗菌薬投与、破傷風予防、鎮痛・安静
- 注意点:眼圧測定や眼球圧迫は禁忌、感染および眼内炎予防が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 眼内異物 | 眼内に異物の残存が明確 | CTで異物像を確認 |
| 吹き抜け骨折 | 眼球運動障害・眼窩下壁骨折 | CTで骨折像を確認 |
| 外傷性白内障 | 水晶体混濁・穿孔なし | 眼底・細隙灯所見 |
補足事項
穿孔性眼外傷は予後不良例が多く、感染性眼内炎や眼球萎縮、交感性眼炎など二次的合併症にも注意が必要。予防には保護眼鏡の着用など安全対策が重要である。