掌蹠膿疱症
概要
掌蹠膿疱症は、手のひら(掌)や足の裏(蹠)に無菌性の膿疱が繰り返し発生する慢性炎症性皮膚疾患である。しばしば関節痛(掌蹠膿疱症性骨関節炎)を伴い、再発と寛解を繰り返す。自己免疫的な機序や感染、喫煙が発症に関与するとされる。
要点
- 手掌・足蹠に無菌性膿疱が多発
- 関節痛や骨病変を合併しやすい
- 喫煙や慢性扁桃炎がリスク因子
病態・原因
掌蹠膿疱症は自己免疫機序や慢性炎症が関与し、特に扁桃炎や歯科金属アレルギー、喫煙がリスク因子となる。表皮の角化異常と好中球浸潤による無菌性膿疱形成が特徴。
主症状・身体所見
手のひらや足の裏に小膿疱や紅斑、鱗屑が周期的に出現する。膿疱は無菌性で、破れると痂皮を生じる。約10~30%で鎖骨や胸骨などの骨関節炎を合併する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚生検 | 表皮内膿疱、好中球浸潤 | 無菌性膿疱、角化異常 |
| 血液検査 | 炎症反応上昇(CRP、白血球) | 関節炎合併時に参考 |
| 画像検査 | 骨関節炎の有無を確認 | X線・MRIで骨病変を評価 |
診断は特徴的な皮疹の分布と経過、皮膚生検所見に基づく。細菌培養で膿疱が無菌であることを確認する。関節症状がある場合は画像検査で骨病変を評価する。
治療
- 第一選択:外用ステロイド、活性型ビタミンD3外用
- 補助療法:紫外線療法、内服(シクロスポリン、アプレミラスト)、扁桃摘出
- 注意点:喫煙中止、歯科金属除去、慢性扁桃炎治療
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 尋常性乾癬 | 膿疱が少なく、全身性紅斑・鱗屑 | 皮膚生検でMunro微小膿瘍 |
| 汗疱 | 水疱主体、膿疱は形成しない | 無菌性水疱、好中球浸潤なし |
| 膿痂疹 | 小児に多く、細菌感染が原因 | 膿疱から細菌検出、培養陽性 |
補足事項
掌蹠膿疱症性骨関節炎(SAPHO症候群)は重要な合併症であり、関節症状の有無に注意する。難治例では生物学的製剤の適応も検討される。