寻常性乾癬
概要
尋常性乾癬は、慢性かつ再発性の炎症性角化症であり、境界明瞭な紅斑・銀白色鱗屑を特徴とする。自己免疫機序や遺伝的素因、環境因子が複合的に関与する。皮膚のみならず関節や全身合併症も重要となる。
要点
- 境界明瞭な紅斑・鱗屑性局面が慢性的に出現
- 免疫異常・遺伝素因・環境因子の関与
- 関節炎や代謝異常症など全身合併症に注意
病態・原因
T細胞を中心とした免疫異常により、表皮の過剰な増殖と炎症が生じる。遺伝的素因や肥満、ストレス、感染、薬剤などの環境因子が発症・増悪に関与する。
主症状・身体所見
代表的な症状は、肘・膝・頭部など摩擦部位に好発する境界明瞭な紅斑と銀白色の鱗屑。爪の変形や関節痛を伴うこともあり、ケブネル現象(外傷部位への新病変形成)がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚生検 | 表皮肥厚・表皮突起延長・Munro微小膿瘍 | 鑑別診断に有用 |
| 血液検査 | 炎症反応(CRP↑)、関節炎合併でRF・抗CCP陰性 | 関節炎合併時 |
| 画像検査 | 関節炎合併例で関節X線、骨びらん・骨増殖 | 乾癬性関節炎評価 |
診断は特徴的な皮疹と病歴から行い、必要に応じて皮膚生検で確定する。関節症状があれば画像検査で関節変化を確認する。
治療
- 第一選択:外用ステロイド、ビタミンD3外用薬
- 補助療法:紫外線療法(NB-UVB)、保湿剤、生活指導
- 注意点:重症例や関節炎合併例では生物学的製剤や全身療法を考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| アトピー性皮膚炎 | 痒み主体、屈側優位、慢性湿疹変化 | 鱗屑・境界明瞭性に乏しい |
| 脂漏性皮膚炎 | 頭部・顔面中心、脂漏部に淡い紅斑 | 鱗屑が細かく境界不明瞭 |
| 扁平苔癬 | 紫紅色扁平丘疹、口腔粘膜病変 | Wickham線条、粘膜所見 |
補足事項
乾癬は心血管疾患、糖尿病、肥満などの生活習慣病との関連が明らかになっている。近年は生物学的製剤による治療選択肢が拡大し、重症例の管理が進歩している。