慢性進行性外眼筋麻痺

概要

慢性進行性外眼筋麻痺(CPEO)は、主にミトコンドリア異常を背景とする進行性の外眼筋障害で、両側性の眼瞼下垂と眼球運動障害を特徴とする。成人発症が多く、全身の筋症状や他臓器障害を伴うこともある。

要点

  • 眼瞼下垂と眼球運動障害が緩徐に進行
  • ミトコンドリア異常が主な原因
  • 他の筋疾患や全身症状を合併しうる

病態・原因

ミトコンドリアDNAの変異や欠失が主要な病因であり、筋細胞のエネルギー代謝障害によって外眼筋が選択的に障害される。家族性発症もみられ、遺伝形式は多様である。

主症状・身体所見

両側性の進行性眼瞼下垂と外眼筋麻痺による複視や眼球運動制限が主症状。しばしば顔面筋や四肢近位筋の筋力低下、心伝導障害、難聴などの全身症状を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
筋生検ラグドレッドファイバーゴモリトリクローム染色で観察
血清CK値正常~軽度上昇他の筋疾患と比較し軽度
ミトコンドリアDNA解析欠失・変異遺伝子診断の補助

筋生検でラグドレッドファイバーの存在が特徴的。ミトコンドリアDNAの欠失や変異の検出が診断に有用。MRIや心電図で合併症評価も行う。

治療

  • 対症療法:眼瞼下垂に対する手術や眼鏡処方
  • 補助療法:心伝導障害や難聴など合併症の管理
  • 注意点:急激な進行や全身合併症の早期発見と対応

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
重症筋無力症日内変動・自己抗体陽性テンシロンテスト陽性、抗AChR抗体陽性
進行性核上性麻痺垂直方向の眼球運動障害MRIで中脳萎縮
外眼筋型筋ジストロフィー眼瞼下垂と筋力低下遺伝子検査で特異的変異

補足事項

他のミトコンドリア病(MELAS、Kearns-Sayre症候群など)との鑑別が重要。症状の進行は緩徐だが、全身管理や遺伝カウンセリングが必要となる場合がある。

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