慢性リンパ性白血病

概要

慢性リンパ性白血病(CLL)は、主に高齢者に発症するB細胞系の慢性白血病であり、進行が緩徐なことが特徴である。無症候性で経過することも多く、徐々にリンパ球増加やリンパ節腫脹を認める。欧米で多いが日本では稀な疾患である。

要点

  • B細胞由来のリンパ球が異常増殖する慢性白血病
  • 無症候性経過が多く、進行例では貧血や感染症リスク増大
  • 治療は進行例や症候性例で化学療法・分子標的薬が中心

病態・原因

CLLは成熟B細胞の腫瘍性増殖により発症し、原因は不明だが遺伝的素因や環境因子が関与するとされる。染色体異常(13q欠失、11q欠失、17p欠失など)が予後や治療反応性に影響する。

主症状・身体所見

多くは無症状で健康診断でリンパ球増多を指摘される。進行例では頸部・腋窩・鼠径部リンパ節腫脹、脾腫、貧血、易感染性、出血傾向などがみられる。

検査・診断

検査所見補足
末梢血液検査リンパ球増多白血球数増加、リンパ球優位
骨髄検査リンパ球増殖骨髄に小型成熟リンパ球浸潤
免疫表現型解析CD5陽性B細胞CD19, CD20, CD23, CD5陽性
染色体検査13q, 11q, 17p欠失など予後・治療選択に重要

診断は末梢血リンパ球数増加(通常5,000/μL以上)が持続し、免疫表現型でCD5陽性B細胞を証明することで確定する。骨髄浸潤や染色体異常も診断・予後予測に有用。

治療

  • 第一選択:フルダラビン・リツキシマブ併用療法、ベンダムスチン、BTK阻害薬(イブルチニブ等)
  • 補助療法:支持療法(感染対策、貧血・血小板減少時の輸血)、予防的抗菌薬
  • 注意点:無症候性例は経過観察、治療開始基準(症状出現・進行時)を遵守

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性リンパ性白血病急速進行・若年発症芽球優位・貧血・血小板減少が顕著
慢性骨髄性白血病顆粒球系増殖・Ph染色体陽性BCR-ABL融合遺伝子陽性
悪性リンパ腫リンパ節腫脹が主体・血中リンパ球増多はまれ組織生検で診断、末梢血所見は軽度

補足事項

CLLは日本では稀だが、高齢化に伴い今後増加が予想される。分子標的治療薬の進歩により治療選択肢が拡大している。二次性免疫不全による感染症リスクに注意が必要。

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