子宮復古不全
概要
子宮復古不全は、分娩後に子宮が正常な大きさや状態に戻らない病態である。産褥期において子宮の収縮や退縮が遅延し、異常な出血や感染リスクが増加する。早期発見と適切な管理が重要となる。
要点
- 分娩後の子宮の退縮遅延が特徴
- 異常な産褥出血や感染のリスクがある
- 早期診断と治療介入が重要
病態・原因
子宮復古不全は、分娩後に子宮筋の収縮不良や胎盤遺残、感染などが原因となり、子宮の退縮が遅れることで発症する。多産婦、巨大児分娩、子宮筋腫合併などがリスク因子とされる。
主症状・身体所見
産褥期の異常な子宮出血、子宮底の高位残存、圧痛、悪露の持続や異臭などが主な症状である。通常より子宮が軟らかく、収縮不良が認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 産科超音波 | 子宮腔内エコー輝度上昇、胎盤遺残の有無 | 子宮内容物の確認に有用 |
| 内診 | 子宮底高位、軟らかい子宮、圧痛 | 退縮不良や圧痛を評価 |
| 血液検査 | 炎症反応上昇、貧血所見 | 感染や出血の評価 |
超音波検査で子宮腔内に胎盤や血腫の遺残を確認し、内診で子宮の大きさや硬さを評価する。診断は臨床症状と画像所見の組み合わせで行う。
治療
- 第一選択:子宮収縮薬(オキシトシン、メチルエルゴメトリンなど)の投与
- 補助療法:子宮内容除去術(胎盤遺残時)、抗菌薬投与、安静・栄養管理
- 注意点:大量出血時は輸血を考慮、感染予防を徹底
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 子宮内膜炎 | 発熱・悪臭悪露・圧痛強い | 炎症反応・培養陽性 |
| 弛緩出血 | 急激な大量出血・子宮弛緩 | 明らかな出血量増加 |
| 子宮内容遺残 | 超音波で内容物明瞭 | 子宮腔内エコー輝度増強 |
補足事項
子宮復古不全は早期発見が予後改善の鍵となるため、産褥期の定期的な診察と教育が重要である。近年は超音波診断の進歩により、早期診断が可能となっている。