大腿骨頭すべり症

概要

大腿骨頭すべり症は、成長期の小児・思春期に多くみられる股関節疾患で、大腿骨頭が骨端線を中心に後下方へずれることが特徴。肥満や急激な成長がリスクとなり、早期発見と治療が重要となる。進行すると不可逆的な関節障害を残すことがある。

要点

  • 思春期の男子に多く発症し、肥満がリスク因子
  • 股関節痛や跛行、可動域制限が主症状
  • 早期治療により予後改善、遅れると変形性股関節症を残す

病態・原因

成長期における骨端線(成長板)の脆弱性を背景に、大腿骨頭が骨端線を中心に後下方へ滑ることで発症する。肥満や急激な成長、外傷、ホルモン異常(例:成長ホルモン異常や甲状腺機能低下症)などがリスク因子とされる。

主症状・身体所見

初期は股関節痛や膝痛として自覚されることが多く、進行すると跛行や股関節の可動域制限、特に内旋・屈曲制限がみられる。患側下肢の短縮や外旋変形も特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
X線検査大腿骨頭の後下方へのすべりFrog-leg像で明瞭
MRI骨端線部の浮腫や早期変化早期診断に有用

X線正面像および側面像(特にFrog-leg像)が診断に必須であり、Klein線の異常や骨頭の位置異常を確認する。MRIは初期変化や両側病変の評価に有用。診断基準は臨床症状と画像所見の一致による。

治療

  • 第一選択:観血的または経皮的骨頭固定術
  • 補助療法:体重管理、安静保持、リハビリテーション
  • 注意点:早期治療と両側発症の監視、過度な負荷回避

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Perthes病年齢がやや低く、骨頭壊死像X線で骨頭扁平化・壊死像
変形性股関節症成人に多く慢性経過関節裂隙狭小化・骨棘形成

補足事項

両側発症例が約20〜40%存在し、未発症側の定期的なフォローが推奨される。進行例では早期の変形性股関節症や関節可動域障害を残すことがあるため、早期診断・治療が極めて重要である。

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