外陰腟カンジダ症
概要
外陰腟カンジダ症はCandida属真菌による外陰部および腟の感染症で、特にCandida albicansが原因となることが多い。女性の膣炎の中でも頻度が高く、再発しやすい特徴を持つ。免疫低下や抗菌薬使用などがリスク因子となる。
要点
- 外陰部の掻痒感と白色帯下が主症状
- 抗真菌薬の局所投与が治療の中心
- 再発例や難治例では全身投与も考慮
病態・原因
Candida属真菌(主にCandida albicans)の過剰増殖が原因であり、通常は腟内常在菌だが、免疫力低下や抗菌薬・ステロイド使用、妊娠、糖尿病などで発症しやすくなる。性交渉による感染もあるが、主に自己増殖が多い。
主症状・身体所見
強い外陰部の掻痒感、灼熱感、白色で酒粕様の帯下が特徴的。外陰部や腟粘膜の発赤・腫脹、時に小びらんや浮腫を伴う。性交痛や排尿時痛を訴えることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 腟分泌物鏡検 | 偽菌糸や芽胞の検出 | KOH法やグラム染色で観察 |
| 培養検査 | Candida属の発育 | 菌種同定や薬剤感受性検査に有用 |
| pH測定 | 正常〜やや酸性 | 他の腟炎との鑑別に参考 |
鏡検で偽菌糸や芽胞を確認することが診断の決め手となる。腟分泌物のpHは通常4.5以下と酸性を保つ。培養検査で菌種や薬剤感受性を確認することも重要。
治療
- 第一選択:腟錠・クリームによる抗真菌薬(ミコナゾール、クロトリマゾールなど)局所投与
- 補助療法:再発例や重症例では経口抗真菌薬(フルコナゾール等)を使用
- 注意点:糖尿病や免疫抑制状態の改善、パートナー治療の検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 細菌性腟症 | 灰白色帯下・魚臭・pH上昇 | グラム染色でclue cell、pH>4.5 |
| トリコモナス腟炎 | 黄緑色泡沫状帯下・悪臭・掻痒 | 鞭毛虫の運動体検出 |
補足事項
妊娠中や糖尿病患者では再発しやすいため、基礎疾患の管理も重要となる。性交渉による感染はまれだが、再発例ではパートナーの診察も考慮する。