再発性多発軟骨炎
概要
再発性多発軟骨炎は全身の軟骨組織に炎症を繰り返し生じる自己免疫性疾患である。耳介や鼻、気道、関節などの軟骨が主に障害される。進行すると気道狭窄や心血管合併症をきたすこともある。
要点
- 軟骨組織に反復する炎症と破壊が生じる
- 耳介・鼻・関節・気道など多部位に症状
- 生命予後は気道・心血管病変の有無で左右される
病態・原因
自己免疫機序により軟骨成分(主にII型コラーゲン)に対する自己抗体が産生され、炎症細胞浸潤と組織破壊が生じる。発症には遺伝的素因や環境因子が関与すると考えられている。
主症状・身体所見
耳介や鼻の発赤・腫脹・疼痛が特徴で、進行すると耳介の変形や鞍鼻を呈する。関節痛や関節炎、気道狭窄による呼吸困難、眼症状(強膜炎など)、心血管症状もみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | CRP・赤沈上昇、自己抗体陽性例あり | 特異的マーカーは存在しない |
| 画像検査(CT/MRI) | 気道・鼻・耳介の軟骨肥厚や破壊 | 気道病変や関節病変の評価に有用 |
| 軟骨生検 | 軟骨の炎症細胞浸潤・破壊 | 病理組織診断の補助 |
診断は臨床症状と検査所見の組み合わせで行い、McAdam基準やDamiani・Levine基準が用いられる。画像では気道狭窄や軟骨破壊が重要所見となる。
治療
- 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
- 補助療法:免疫抑制薬(メトトレキサート、アザチオプリン等)、対症療法
- 注意点:感染症や骨粗鬆症等の副作用管理、重症例は生物学的製剤も考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 関節リウマチ | 軟骨以外に滑膜炎・関節破壊主体 | リウマトイド因子・抗CCP抗体陽性 |
| Wegener肉芽腫症(多発血管炎性肉芽腫症) | 鼻・気道病変に加え腎障害・肉芽腫 | ANCA陽性、組織で壊死性肉芽腫 |
補足事項
まれな疾患だが早期診断と治療が重要であり、気道狭窄や心血管合併症の有無によって予後が大きく異なる。耳介、鼻、気道などの軟骨症状が反復する場合は本疾患を常に念頭に置く。