二次性赤血球増加症
概要
二次性赤血球増加症は、エリスロポエチン(EPO)の過剰産生によって赤血球が増加する病態であり、低酸素状態や腫瘍性疾患などが原因となる。真性赤血球増加症とは異なり、骨髄の造血細胞自体の異常ではなく、基礎疾患への反応性に生じる。臨床的には血液濃縮や血栓症リスクの増加が問題となる。
要点
- 低酸素血症や腫瘍によるEPO過剰産生が主な原因
- 真性赤血球増加症と鑑別が重要
- 原因疾患の治療が根本的対応となる
病態・原因
二次性赤血球増加症は、慢性呼吸器疾患や心疾患などによる低酸素血症、腎腫瘍や肝腫瘍などによるエリスロポエチン産生の増加が主な原因となる。高地居住や喫煙もリスク因子となる。
主症状・身体所見
多血症状として顔面紅潮、頭痛、めまい、易疲労感などがみられる。血液粘稠度の上昇により血栓症リスクが増加し、重症例では脳梗塞や心筋梗塞の原因となる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血算 | 赤血球数・ヘモグロビン増加 | 他の血球系は正常 |
| エリスロポエチン | 高値 | 真性赤血球増加症では低値 |
| 動脈血ガス | 低酸素血症 | 呼吸器・心疾患の評価に有用 |
| 画像検査 | 腎・肝腫瘍の有無 | 原因検索のためCTやエコーなど |
EPO高値と赤血球増加の確認が診断の鍵となる。真性赤血球増加症(PV)ではEPOが低値となる点が鑑別ポイント。基礎疾患の同定には画像検査が重要。
治療
- 第一選択:原因疾患の治療(低酸素の是正、腫瘍切除など)
- 補助療法:瀉血療法や酸素投与
- 注意点:血栓症予防、過度な瀉血は貧血や鉄欠乏に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 真性赤血球増加症 | JAK2変異陽性、EPO低値 | 骨髄増殖性疾患、白血球・血小板増加 |
| 相対的赤血球増加症 | 脱水などによる血漿減少 | 赤血球数自体は不変、血漿量低下 |
補足事項
高地居住者や慢性呼吸器疾患患者では生理的な赤血球増加もみられるため、臨床経過や基礎疾患の検索が重要となる。近年では睡眠時無呼吸症候群も原因の一つとして注目されている。