真性赤血球増加症
概要
真性赤血球増加症は、骨髄での赤血球系の異常増殖による慢性骨髄増殖性疾患の一つであり、JAK2遺伝子変異を背景に発症する。赤血球の増加に加え、しばしば白血球や血小板も増加し、血栓症や出血傾向のリスクが高まる。
要点
- JAK2変異による骨髄での赤血球増殖が特徴
- 高ヘマトクリット・血液粘稠度上昇に伴う血栓症リスク
- 治療は瀉血と低用量アスピリン、必要に応じて骨髄抑制薬
病態・原因
JAK2 V617F変異を主因とし、造血幹細胞の自律的増殖が生じる。これにより赤血球系を中心に骨髄での造血が亢進し、血液の粘稠度が上昇する。高齢者や男性に多く、家族歴は稀。
主症状・身体所見
頭痛、めまい、紅潮、掻痒感、易疲労感などがみられる。脾腫が高頻度で認められ、血栓症(深部静脈血栓症、脳梗塞など)や出血傾向も重要な臨床所見である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | ヘマトクリット・赤血球数・Hb高値、白血球・血小板増加 | EPO低値が特徴 |
| 遺伝子検査 | JAK2 V617F変異陽性 | 診断の決め手 |
| 骨髄検査 | 骨髄過形成 | 赤血球系優位 |
WHO診断基準では、ヘモグロビン高値、骨髄過形成、JAK2変異の有無、エリスロポエチン(EPO)低値などを組み合わせて診断する。画像では脾腫の有無を確認する。
治療
- 第一選択:瀉血療法(ヘマトクリット45%未満を目標)
- 補助療法:低用量アスピリン、ヒドロキシウレア等の骨髄抑制薬
- 注意点:血栓症予防、進行例では骨髄線維症や急性白血病への移行に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 二次性赤血球増加症 | 基礎疾患や低酸素血症の存在 | EPO高値、JAK2変異陰性 |
| 原発性骨髄線維症 | 著明な脾腫と骨髄線維化 | 骨髄穿刺で線維化、JAK2変異は一部陽性 |
補足事項
真性赤血球増加症は慢性骨髄増殖性腫瘍の一つであり、長期経過で骨髄線維症や急性白血病へと進展する場合がある。定期的な血液検査と脾腫の評価が重要である。