Weil病

概要

Weil病はレプトスピラ属細菌による人獣共通感染症で、黄疸・腎障害・出血傾向を三徴とする重症型レプトスピラ症である。主に汚染された水や動物尿を介して感染し、急性発熱性疾患として発症する。

要点

  • 黄疸、腎障害、出血傾向を特徴とする
  • 汚染水や動物との接触がリスク因子
  • 早期診断・抗菌薬治療が重要

病態・原因

原因はレプトスピラ属細菌(Leptospira interrogansなど)感染であり、主にネズミなどの動物の尿で汚染された水や土壌から経皮的に感染する。農業従事者や水辺での作業者に発生しやすい。

主症状・身体所見

発熱、頭痛、筋肉痛(特に腓腹筋)、黄疸、腎障害(乏尿や蛋白尿)、結膜充血、皮下出血などがみられる。重症例では意識障害や多臓器不全に進行することがある。

検査・診断

検査所見補足
血液生化学肝機能障害、腎機能障害、黄疸ビリルビン・AST/ALT・Cr上昇
血清学的検査レプトスピラ抗体陽性ペア血清で抗体上昇確認
血液培養レプトスピラ菌の分離同定急性期に有用

診断は臨床症状と疫学的背景から疑い、血清学的検査(MAT法など)や菌培養、PCRによる病原体の同定で確定する。腎・肝障害の程度も重症度判定に重要。

治療

  • 第一選択:ペニシリン系またはドキシサイクリンなどの抗菌薬投与
  • 補助療法:輸液、電解質管理、重症例では血液透析
  • 注意点:早期治療が予後改善に有効、重症例では多臓器管理が必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性肝不全黄疸・肝性脳症が主症状腎障害や筋痛は少ない
腎症候性出血熱腎障害・出血傾向レプトスピラ抗体は陰性
敗血症多臓器不全・ショック症状レプトスピラ培養・抗体陰性

補足事項

日本では夏季から秋季にかけて発生が多く、近年アウトドア活動の増加で散発例もみられる。早期の抗菌薬投与が重症化予防に重要である。

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