Volkmann拘縮

概要

Volkmann拘縮は、主に前腕の骨折や外傷後に発生する筋・神経の虚血性壊死による拘縮である。前腕屈筋群の線維化と瘢痕化を特徴とし、進行すると不可逆的な機能障害を残す。

要点

  • 前腕骨折や外傷によるコンパートメント症候群が主な原因
  • 屈筋群の虚血性壊死と瘢痕化による不可逆的な拘縮
  • 早期診断と適切な治療が機能予後を左右する

病態・原因

Volkmann拘縮は、前腕のコンパートメント症候群により筋肉や神経が虚血性壊死を起こし、瘢痕化することで生じる。骨折後のギプスや包帯の過度な圧迫、または血管損傷などがリスク因子となる。

主症状・身体所見

前腕屈筋群の強い拘縮と手指の屈曲拘縮がみられる。進行例では指や手関節の自動運動が著しく制限され、感覚障害や筋萎縮を伴うことが多い。

検査・診断

検査所見補足
身体診察前腕・手指の屈曲拘縮、筋萎縮典型的な手指の「爪先状変形」
画像検査(MRI/CT)筋肉の線維化・萎縮壊死部位の同定や重症度評価
神経伝導検査遅延・伝導障害正中・尺骨神経障害の評価

臨床診断は前腕外傷歴と特徴的な拘縮所見から行う。画像検査で筋壊死や線維化の範囲を評価し、神経障害の有無も確認する。

治療

  • 第一選択:早期の筋膜切開(コンパートメント開放)、進行例では腱移行術や関節固定術
  • 補助療法:リハビリテーション、装具療法、疼痛管理
  • 注意点:早期発見・治療が予後改善に不可欠、ギプスや包帯の圧迫管理に留意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Dupuytren拘縮手掌腱膜の肥厚・索状硬結前腕筋の萎縮や神経障害はみられない
橈骨神経麻痺手首下垂(drop hand)屈筋拘縮ではなく伸筋麻痺が主体

補足事項

小児の上腕骨顆上骨折後に発症することが多く、ギプス固定中の疼痛や指の運動障害は早期発見の重要なサインとなる。不可逆的な障害となる前の迅速な対応が重要である。

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