Vogt-小柳-原田病
概要
Vogt-小柳-原田病は、主にメラニンを標的とした自己免疫反応によって発症する、両眼性のぶどう膜炎を中心とした全身性炎症性疾患である。眼症状に加え、皮膚、聴覚、中枢神経系にも多彩な症状を呈することが特徴である。
要点
- メラニン組織への自己免疫反応による多臓器炎症
- 進行性の両眼性ぶどう膜炎を主徴とする
- 皮膚や聴覚、中枢神経症状も高頻度で合併
病態・原因
本疾患はメラノサイトに対する自己免疫反応が主な病態であり、遺伝的素因やウイルス感染などが発症の引き金となることがある。HLA-DR4との関連が指摘されている。
主症状・身体所見
急性期には視力低下、霧視、羞明、眼痛などの眼症状がみられる。頭痛や項部硬直などの髄膜刺激症状、耳鳴や難聴、白斑や脱毛などの皮膚症状も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼底検査 | 漿液性網膜剥離、乳頭浮腫、ぶどう膜炎 | 両眼性であることが多い |
| 蛋白分画・髄液検査 | 髄液リンパ球増多、蛋白上昇 | 髄膜刺激症状がある場合 |
| 蛋白分画 | 髄液中のリンパ球増多 | 急性期に特徴的 |
診断は臨床症状(両眼性ぶどう膜炎、髄膜刺激症状、皮膚・毛髪症状など)と眼底検査・髄液検査所見を組み合わせて行う。蛍光眼底造影やOCTで網膜下液貯留を認めることが多い。
治療
- 第一選択:全身性副腎皮質ステロイド大量療法
- 補助療法:免疫抑制薬(シクロスポリン等)、対症療法
- 注意点:早期治療開始と再発・視力障害の予防が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 交感性眼炎 | 外傷既往、片眼発症 | 外傷歴、片眼性、全身症状少ない |
| サルコイドーシス | 多臓器病変、血清ACE上昇 | 胸部X線異常、ACE高値、非乾酪性肉芽腫 |
補足事項
発症初期の迅速な診断と治療介入が視力予後を大きく左右する。再発例や難治例では免疫抑制薬の併用を検討する。