交感性眼炎
概要
交感性眼炎は、穿孔性眼外傷や眼内手術後に発症する両眼性の肉芽腫性ぶどう膜炎である。自己免疫機序が関与し、健眼にも炎症が波及することが特徴。早期診断と迅速な治療が視力予後に直結する。
要点
- 片眼の外傷や手術後、対側健眼にもぶどう膜炎が発症
- 自己免疫反応による肉芽腫性炎症が主体
- 早期のステロイド治療が視力温存に重要
病態・原因
交感性眼炎は、外傷や手術により眼内抗原が全身免疫系に曝露され、自己免疫反応が惹起されることで発症する。主にブドウ膜(虹彩・毛様体・脈絡膜)に肉芽腫性炎症を来す。発症リスクは穿孔性外傷や眼内手術後に高い。
主症状・身体所見
視力低下、霧視、羞明、眼痛などが両眼性に現れる。前房蓄膿や虹彩結節、硝子体混濁、網膜浮腫などが特徴的。健眼にも症状が波及し、両眼失明の危険がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼底検査 | 網膜血管周囲炎、漿液性網膜剥離、視神経炎症 | 両眼性にみられる |
| 前眼部検査 | 前房蓄膿、角膜後面沈着物、虹彩結節 | 肉芽腫性炎症所見 |
| フルオレセイン蛍光眼底造影 | 血管漏出、脈絡膜炎症 | 網膜・脈絡膜病変の評価 |
診断は外傷や手術歴、両眼性ぶどう膜炎の発症、肉芽腫性炎症所見などから行う。画像検査で漿液性網膜剥離や血管炎所見を確認する。
治療
- 第一選択:全身性副腎皮質ステロイド大量投与
- 補助療法:免疫抑制薬併用、局所ステロイド投与
- 注意点:早期治療開始、外傷眼の摘出は発症前に限る
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Vogt-小柳-原田病 | 外傷歴なし、皮膚・聴覚症状を伴う | 蛍光眼底造影で類似も、髄液細胞増多あり |
| サルコイドーシスぶどう膜炎 | 全身サルコイドーシス所見を伴う | 血清ACE高値、胸部X線異常 |
| 細菌性眼内炎 | 発症急性、疼痛・充血が顕著、膿性分泌物 | 培養で細菌検出、急激な経過 |
補足事項
発症予防のため、外傷眼の摘出は発症前2週間以内が推奨される。治療抵抗例では免疫抑制薬の追加を検討する。視力予後は治療開始のタイミングに大きく依存する。