Stevens-Johnson症候群
概要
Stevens-Johnson症候群は、主に薬剤や感染症が誘因となる重篤な多形滲出性紅斑型の皮膚・粘膜障害である。全身症状を伴い、広範囲な表皮壊死と水疱形成、粘膜病変を特徴とする。生命予後にも影響しうる緊急対応が必要な疾患である。
要点
- 薬剤や感染症が主な誘因
- 皮膚・粘膜の広範な障害と全身症状
- 早期診断と原因薬剤中止が重要
病態・原因
主な原因は薬剤(抗菌薬、抗てんかん薬、NSAIDsなど)やウイルス感染症(特にマイコプラズマ感染)であり、免疫反応を介して表皮細胞のアポトーシスが誘導される。遺伝的素因も関与することがある。
主症状・身体所見
高熱、全身倦怠感に続き、紅斑や水疱、びらんが体幹・四肢・顔面に急速に出現する。口腔、眼、外陰部など複数粘膜に病変を認めることが多く、Nikolsky現象陽性が特徴的。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚生検 | 表皮壊死、真皮浅層の炎症細胞浸潤 | 病理組織で確定診断 |
| 血液検査 | 白血球増減、肝腎機能障害、CRP上昇 | 重症度・合併症評価 |
| 眼科・耳鼻科 | 角結膜炎、口腔・咽頭粘膜病変 | 粘膜障害の評価 |
臨床診断は急性発症の全身症状と皮膚・粘膜のびらん・水疱をもとに行う。皮膚病理組織で表皮壊死の確認が重要。TENとの鑑別は体表面積(SJSは10%未満の障害)で区別する。
治療
- 第一選択:原因薬剤の即時中止と全身管理(支持療法)
- 補助療法:高用量ステロイド、免疫グロブリン療法、感染予防
- 注意点:早期の眼科・皮膚科連携、二次感染・多臓器不全への対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 中毒性表皮壊死症 | 体表面積10%以上の広範な表皮剥離 | 広範囲の皮膚壊死、重症度高い |
| 多形滲出性紅斑 | 皮膚症状中心で粘膜障害が軽度~なし | ターゲット状紅斑、全身症状軽度 |
補足事項
SJSはTEN(中毒性表皮壊死症)と連続したスペクトラムを持つ。早期の原因薬剤中止が予後改善の鍵となる。眼合併症は視力障害の原因となるため専門的管理が重要。