薬剤性過敏症症候群

概要

薬剤性過敏症症候群(DIHS/DRESS)は、特定の薬剤投与後に発症する重篤な薬疹と多臓器障害を特徴とする疾患。再活性化したウイルス感染や免疫異常が関与し、発熱・皮疹・肝障害など多彩な症状を呈する。致死的経過をとることもあり、迅速な診断と治療が重要である。

要点

  • 薬剤投与後2〜6週間で発症し、多臓器障害を伴う
  • 皮疹・発熱・リンパ節腫脹・肝機能障害が特徴
  • 迅速な薬剤中止と全身管理が治療の基本

病態・原因

主に抗てんかん薬やアロプリノール、サルファ剤などの薬剤が原因となる。T細胞を介した免疫応答異常、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)などのウイルス再活性化が関与し、全身性炎症反応を引き起こす。

主症状・身体所見

発熱、紅斑や丘疹などの全身性皮疹、顔面浮腫、リンパ節腫脹、肝腫大や肝機能障害がみられる。しばしば好酸球増多や異型リンパ球出現を伴い、腎障害や肺炎など他臓器障害も合併する。

検査・診断

検査所見補足
血液検査好酸球増多、異型リンパ球肝機能・腎機能障害も
ウイルス抗体価HHV-6再活性化PCRでウイルスDNA上昇
皮膚生検表皮壊死、リンパ球浸潤鑑別に有用

診断は薬剤投与歴、臨床症状、検査所見を総合的に評価し、DIHS診断基準(7項目)を参考に行う。皮膚所見や多臓器障害、ウイルス再活性化の有無が重要なポイントとなる。

治療

  • 第一選択:原因薬剤の即時中止、全身管理
  • 補助療法:全身性ステロイド投与、支持療法(輸液・栄養管理等)
  • 注意点:再発やウイルス再活性化、二次感染への注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Stevens-Johnson症候群粘膜障害が高度、皮膚剥離好酸球増多は少ない
アナフィラキシーショック急性発症・血圧低下多臓器障害や遅発性皮疹は少ない

補足事項

再発防止のため原因薬剤のリスト化と患者教育が重要。治療中のウイルス再活性化や二次感染リスク、長期的な臓器障害のモニタリングも必要となる。

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