SCA-3(Machado-Joseph病)
概要
SCA-3(Machado-Joseph病)は、常染色体優性遺伝形式をとる脊髄小脳変性症の一型であり、世界的に最も頻度が高い。主に小脳失調、錐体外路症状、末梢神経障害など多彩な神経症状を呈する。ATXN3遺伝子のCAGリピート異常伸長が原因である。
要点
- 小脳失調と多様な神経症状が特徴
- 常染色体優性遺伝でATXN3遺伝子異常が原因
- 進行性で治療は対症療法が中心
病態・原因
ATXN3遺伝子におけるCAGリピートの異常伸長により、異常蛋白が蓄積し神経細胞障害を引き起こす。常染色体優性遺伝形式で、家族歴が認められることが多い。発症年齢や進行速度はリピート数により異なる。
主症状・身体所見
小脳失調(歩行障害、構音障害、眼振)を主症状とし、錐体外路症状(パーキンソン様症状)、末梢神経障害、眼球運動障害、筋萎縮など多彩な神経症状を呈する。進行に伴い日常生活動作が著しく障害される。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 遺伝子検査 | ATXN3遺伝子CAGリピート伸長 | 確定診断に必須 |
| 画像検査(MRI) | 小脳・脳幹の萎縮 | 進行例で明瞭 |
| 神経伝導検査 | 末梢神経伝導速度低下 | 末梢神経障害の評価 |
遺伝子検査でATXN3遺伝子のCAGリピート伸長が確認されれば確定診断となる。脳MRIでは小脳・脳幹の萎縮が進行とともに明瞭化する。神経学的検査や家族歴も重要な情報となる。
治療
- 第一選択:根本的治療法はなく、対症療法が主体
- 補助療法:リハビリテーション、作業療法、言語療法
- 注意点:遺伝カウンセリングの実施、合併症管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 多系統萎縮症(MSA-C) | 自律神経症状が顕著 | MRIで橋の十字サイン |
| SCA-6 | 主に小脳失調、発症年齢がやや高い | CACNA1A遺伝子異常 |
| Friedreich運動失調症 | 若年発症、心筋症や糖尿病を合併 | FXN遺伝子異常、MRIで脊髄萎縮 |
補足事項
発症年齢や症状の多様性が大きく、進行速度にも個人差がある。近年は分子標的治療や遺伝子治療の研究が進められているが、現時点で根治療法は確立されていない。