Raynaud病
概要
Raynaud病は、寒冷や精神的ストレスを契機に主に手指や足趾の末梢血管が一過性に収縮し、皮膚の色調変化(蒼白・紫色・紅潮)を示す疾患である。基礎疾患を伴わない特発性(一次性)と、膠原病などに伴う続発性(二次性)がある。
要点
- 寒冷刺激やストレスで末梢血管が発作的に収縮する
- 手指・足趾に特徴的な三相性の皮膚色変化を呈する
- 続発性の場合は膠原病などの精査が必要
病態・原因
末梢動脈の過度な血管収縮反応が主病態であり、寒冷や精神的緊張による自律神経の異常反応が関与する。一次性Raynaud病は若年女性に多く、明らかな基礎疾患を認めない。二次性は膠原病(特に強皮症)や血管炎などが原因となる。
主症状・身体所見
寒冷やストレス時に手指・足趾が蒼白→紫色→紅潮の順に色調変化を示す。しびれ・痛み・灼熱感を伴うことがある。発作は数分から数十分持続し、慢性例では皮膚潰瘍や壊死を生じることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 寒冷負荷試験 | 発作誘発、皮膚色変化 | 感度・特異度ともに高い |
| 毛細血管拡大鏡検査 | 毛細血管の形態異常 | 続発性の鑑別に有用 |
| 抗核抗体・自己抗体 | 膠原病の合併評価 | 続発性Raynaud現象の検索 |
診断は臨床症状と誘発試験による。続発性を疑う場合は膠原病関連抗体や毛細血管拡大鏡による評価が重要。画像診断は原則不要だが、血管閉塞が疑われる場合は血管造影を考慮する。
治療
- 第一選択:寒冷回避・精神的ストレスの軽減
- 補助療法:カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)、血管拡張薬
- 注意点:続発性では基礎疾患治療、重症例では外科的交感神経切除も検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Buerger病 | 若年男性・喫煙歴・間欠性跛行 | 血管造影で側副血行路発達 |
| 強皮症 | 皮膚硬化・手指潰瘍・自己抗体陽性 | 毛細血管拡大鏡で異常、抗核抗体陽性 |
補足事項
Raynaud現象は続発性の基礎疾患を除外することが重要であり、特に若年発症や男性例、潰瘍合併例では精査が必須となる。近年、強皮症の早期診断の一助として毛細血管拡大鏡の有用性が注目されている。