QT延長症候群
概要
QT延長症候群は、心電図上でQT間隔が延長することを特徴とする不整脈疾患である。先天性と後天性があり、突然死のリスクがある。主に心室性不整脈(トルサード・ド・ポワント)による失神や心停止をきたす。
要点
- QT延長は心電図で確認される
- 心室性不整脈による失神や突然死リスクがある
- 先天性と後天性の両型が存在する
病態・原因
QT延長症候群は心筋細胞の再分極異常により発症し、主にイオンチャネル遺伝子変異(先天性)や薬剤・電解質異常(後天性)が原因となる。家族歴や特定薬剤の使用歴がリスク因子となる。
主症状・身体所見
失神、動悸、めまい、心停止が主症状であり、特に運動や精神的ストレス時に誘発されやすい。心電図上ではQT間隔の延長が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 心電図 | QTc延長、T波形異常 | QTc>450ms(男性) |
| 血清電解質 | 低カリウム血症・低マグネシウム血症 | 後天性の原因検索 |
| 遺伝子検査 | イオンチャネル遺伝子変異 | 先天性型の確定診断 |
診断は心電図でのQT延長(Bazett補正QTc値)を基準とし、臨床症状や家族歴、遺伝子検査結果を総合して行う。薬剤歴や電解質異常の除外も重要である。
治療
- 第一選択:β遮断薬投与(例:プロプラノロール)
- 補助療法:植込み型除細動器(ICD)適応例もある
- 注意点:QT延長を増悪させる薬剤・電解質異常の回避
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Brugada症候群 | ST上昇(V1-3)、失神 | 心電図で特有のST変化 |
| 心室頻拍 | 持続性広範QRS頻拍 | QT延長は伴わないことが多い |
補足事項
QT延長症候群は薬剤性や電解質異常による後天性が増加傾向にある。突然死予防のため、家族スクリーニングや生活指導も重要である。