Osler-Weber-Rendu病
概要
Osler-Weber-Rendu病は、遺伝性出血性毛細血管拡張症(Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia, HHT)とも呼ばれる常染色体優性遺伝疾患である。全身の毛細血管や動静脈奇形による反復性出血が特徴であり、特に鼻出血や消化管出血が多い。血管の異常形成により重篤な合併症をきたすことがある。
要点
- 常染色体優性遺伝による血管形成異常疾患
- 反復性の鼻出血や消化管出血が主症状
- 動静脈奇形による脳・肺・肝病変のリスク
病態・原因
本疾患は主にENG遺伝子やACVRL1遺伝子などの変異により、血管内皮細胞の増殖や修復異常が生じ、毛細血管拡張や動静脈奇形が形成される。家族歴が重要なリスク因子である。
主症状・身体所見
反復性鼻出血が最も多く、口腔・皮膚・消化管の毛細血管拡張による出血が見られる。重症例では肺・脳・肝臓の動静脈奇形による呼吸困難、脳卒中、心不全なども発症する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 内視鏡検査 | 消化管粘膜の毛細血管拡張・出血 | 消化管出血の評価に有用 |
| 画像検査(CT/MRI/エコー) | 肺・肝・脳の動静脈奇形 | 合併症リスク評価 |
| 遺伝子検査 | ENG, ACVRL1変異 | 診断確定・家族調査 |
Curacao診断基準(反復性鼻出血、毛細血管拡張、内臓動静脈奇形、家族歴の4項目中3つ以上で確診)を用いる。画像検査は臓器合併症の評価に必須。
治療
- 第一選択:止血処置(鼻粘膜焼灼、内視鏡的治療)、鉄剤補充
- 補助療法:輸血、抗線維化薬、動静脈奇形に対する塞栓術や手術
- 注意点:合併症(脳梗塞、心不全、感染性心内膜炎)予防と早期発見
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| von Willebrand病 | 止血障害だが毛細血管奇形なし | 血液凝固検査で異常 |
| 血小板減少性紫斑病 | 出血斑が主体、家族歴なし | 血小板数低下 |
補足事項
本疾患は生涯にわたり症状が続くため、定期的な合併症スクリーニングと家族への遺伝カウンセリングが重要となる。分子標的薬の開発も進められている。