Mallory-Weiss症候群

概要

Mallory-Weiss症候群は、食道胃接合部の粘膜に縦走裂傷が生じ、急性上部消化管出血をきたす疾患。主に激しい嘔吐や嘔気を契機として発症する。アルコール多飲者や中年男性に多い。

要点

  • 嘔吐後の吐血を特徴とする
  • 食道胃接合部の粘膜裂傷による
  • 予後は良好なことが多い

病態・原因

激しい嘔吐や咳嗽、腹圧の急激な上昇により、食道胃接合部の粘膜が縦方向に裂けることで発症する。アルコール多飲や過食、妊娠などがリスク因子とされる。

主症状・身体所見

突然の吐血(鮮血)が主症状であり、しばしば嘔吐や悪心に続いて出現する。腹痛やショック症状を伴うこともあるが、通常は出血が一過性で自然止血する場合が多い。

検査・診断

検査所見補足
上部消化管内視鏡食道胃接合部の縦走粘膜裂傷出血部位の直接観察と診断が可能
血液検査貧血、Hb低下出血量や全身状態の評価に有用

内視鏡検査で食道胃接合部の縦走裂傷を確認することが診断の決め手となる。画像所見では明らかな粘膜裂傷と時に活動性出血が認められる。

治療

  • 第一選択:内視鏡的止血(クリッピングや局注など)
  • 補助療法:安静、絶食、点滴・輸液、貧血補正
  • 注意点:再発防止のため嘔吐誘発因子の除去、重症例では外科的治療も検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
食道静脈瘤肝疾患・門脈圧亢進の既往、蛇行した静脈内視鏡で静脈瘤・出血点を認める
特発性食道破裂激しい嘔吐後の激痛・皮下気腫内視鏡で壁全層の穿孔を認める

補足事項

高齢者や基礎疾患のある患者では大量出血やショックに注意する。アルコール多飲歴や嘔吐誘発の既往は問診で確認が重要。

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