Lewy小体型認知症
概要
Lewy小体型認知症は、認知症の中でAlzheimer型に次いで頻度が高い神経変性疾患。脳内にLewy小体と呼ばれる異常蛋白質沈着が認められ、認知機能障害に加え、幻視やパーキンソニズム、自律神経症状が特徴となる。
要点
- 認知機能の変動、幻視、パーキンソニズムが三徴
- 抗精神病薬に対する過敏性が高い
- 進行に伴い自律神経症状やREM睡眠行動異常も出現
病態・原因
α-シヌクレイン蛋白の異常蓄積によるLewy小体が大脳皮質や脳幹に形成されることで発症する。加齢や遺伝的素因、環境要因がリスクとされるが、詳細な発症機序は未解明である。
主症状・身体所見
認知機能障害の変動、繰り返す詳細な幻視、パーキンソニズム(筋強剛・動作緩慢・振戦)、REM睡眠行動異常、自律神経障害(起立性低血圧、便秘など)が主症状。抗精神病薬による副作用が顕著となることも特徴。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 頭部MRI | 後頭葉優位の萎縮 | Alzheimer型認知症との鑑別に有用 |
| 123I-MIBG心筋シンチ | 心筋集積低下 | Parkinson病との鑑別に有用 |
| DaTスキャン | ドパミントランスポーター低下 | パーキンソニズムの評価 |
臨床診断は認知機能障害に加え、幻視・認知機能の変動・パーキンソニズム・REM睡眠行動異常のうち2つ以上の中核症状で確定。MIBG心筋シンチやDaTスキャンが鑑別診断に役立つ。
治療
- 第一選択:コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル等)
- 補助療法:パーキンソニズムに対するレボドパ、非薬物療法(リハビリ・環境調整)
- 注意点:抗精神病薬は原則禁忌、使用時は少量から慎重に
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Alzheimer型認知症 | 幻視やパーキンソニズムは乏しい | MIBG心筋シンチ正常 |
| Parkinson病認知症 | 運動症状発症から1年以上経過後に認知症 | 発症時期と症状の順序 |
補足事項
抗精神病薬過敏性は診断のヒントとなる。REM睡眠行動異常は認知症発症前からみられることがある。進行例では摂食障害や転倒リスクも高まる。