Fröhlich症候群
概要
Fröhlich症候群は、視床下部・下垂体の機能障害により発症する肥満と性腺機能低下を主徴とする疾患である。主に小児期から思春期に発症し、成長障害や二次性徴の遅延を伴う。視床下部腫瘍や頭蓋咽頭腫などが原因となることが多い。
要点
- 視床下部・下垂体障害による肥満と性腺機能低下が特徴
- 小児~思春期発症で成長障害や二次性徴遅延を認める
- 頭蓋咽頭腫などの器質的疾患の除外が重要
病態・原因
Fröhlich症候群は、視床下部や下垂体の器質的障害(頭蓋咽頭腫、外傷、炎症、腫瘍など)によって、性腺刺激ホルモン分泌が低下し、性腺機能低下症とともに異常な食欲増進・肥満をきたす。多くは小児期に発症する。
主症状・身体所見
著明な肥満、性腺発育不全(精巣・卵巣の未発達)、二次性徴の遅延や欠如が主症状である。成長障害や知能発達の遅れ、糖代謝異常を伴うこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ホルモン検査 | LH・FSH・性ホルモン低値 | 下垂体前葉機能低下を示唆 |
| 頭部MRI/CT | 視床下部・下垂体異常 | 頭蓋咽頭腫や他の腫瘍性病変の検索 |
| 負荷試験 | 性腺刺激ホルモン反応低下 | 器質的障害の評価 |
診断は臨床症状とホルモン検査、頭部画像検査により行う。特に腫瘍性病変(頭蓋咽頭腫など)の除外が必須である。
治療
- 原因疾患の治療(腫瘍摘出、放射線療法など)
- ホルモン補充療法(性ホルモン、成長ホルモンなど)
- 生活指導・肥満への対応(食事・運動療法)
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Prader-Willi症候群 | 筋緊張低下・精神発達遅滞・染色体異常 | 15番染色体q11-q13欠失 |
| Laurence-Moon-Biedl症候群 | 網膜色素変性・多指症 | 網膜所見・遺伝子検査 |
| 下垂体前葉機能低下症 | 性腺以外の下垂体ホルモン低下 | ACTH, TSH, GH等も低下 |
補足事項
Fröhlich症候群は現在では「視床下部性肥満・性腺機能低下症」として記載されることが多い。器質的疾患の除外と早期治療が予後改善に重要である。