Evans症候群

概要

Evans症候群は、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)と特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が同時または時期をずらして発症する稀な自己免疫疾患。慢性かつ再発性の経過をとりやすく、難治性例も多い。小児から成人まで発症しうる。

要点

  • AIHAとITPが併発または時期をずらして発症
  • 慢性的・再発性で治療抵抗性のことが多い
  • 他の自己免疫疾患や免疫不全症候群の合併に注意

病態・原因

自己免疫機序により赤血球と血小板の両方に対する自己抗体が産生され、これらが破壊されることで発症する。原因は特発性が多いが、全身性エリテマトーデスなど他の自己免疫疾患や免疫不全症候群に続発することもある。

主症状・身体所見

貧血による全身倦怠感、易疲労感、息切れ、黄疸、皮下出血、点状出血、鼻出血などがみられる。脾腫や肝腫を認めることもある。慢性経過例では再発を繰り返す。

検査・診断

検査所見補足
血液検査貧血、血小板減少、網状赤血球増加末梢血 smearで球状赤血球
直接クームス試験陽性AIHA診断の根拠
抗核抗体・免疫グロブリン異常を認めることあり他の自己免疫疾患の合併評価

AIHAとITPの両者の診断基準を満たすことが必要。骨髄検査は除外診断や他疾患との鑑別に有用。画像検査で脾腫や肝腫を評価することもある。

治療

  • 第一選択:副腎皮質ステロイド全身投与
  • 補助療法:免疫抑制薬(リツキシマブ、シクロスポリン)、IVIG、脾摘
  • 注意点:感染症リスク管理、再発時の治療選択、他疾患の合併精査

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
特発性血小板減少性紫斑病溶血性貧血を伴わないクームス試験陰性、貧血なし
自己免疫性溶血性貧血血小板減少を伴わない血小板数正常、出血傾向なし

補足事項

難治例や再発例が多く、長期的な免疫抑制療法が必要になることがある。小児例では免疫不全症候群の一徴候として発症することもあるため、背景疾患の検索が重要となる。

関連疾患