Creutzfeldt-Jakob病

概要

Creutzfeldt-Jakob病は、プリオン蛋白の異常によって中枢神経系が急速に進行性に障害される致死的な神経変性疾患である。主に高齢者に発症し、急速な認知機能低下や運動障害を呈する。発症から数ヶ月以内に死亡することが多い。

要点

  • プリオン蛋白の異常による進行性神経変性疾患
  • 急速な認知症状と運動障害が特徴
  • 治療法は確立しておらず予後不良

病態・原因

異常なプリオン蛋白(PrP^Sc)が正常プリオン蛋白(PrP^C)を変性させ、神経細胞死と脳の海綿状変性を引き起こす。散発性が最も多いが、遺伝性や医原性、変異型(牛海綿状脳症由来)も存在する。

主症状・身体所見

初期は認知症状や行動異常、記憶障害が目立ち、進行するとミオクローヌス、失調、錐体外路症状、失語、無動無言など多彩な神経症状が出現する。急速な経過が鑑別の手がかりとなる。

検査・診断

検査所見補足
脳波周期性同期性放電(PSD)特異的で診断に有用
MRI(DWI)大脳皮質・基底核の高信号急速進行性認知症での画像所見
髄液検査14-3-3蛋白陽性感度・特異度は完全ではない

脳波のPSDやMRIの特徴的な高信号所見、髄液の14-3-3蛋白検出が診断の補助となる。確定診断には脳生検や剖検によるプリオン蛋白の証明が必要。

治療

  • 第一選択:対症療法のみ(根本的治療法なし)
  • 補助療法:痙攣や不穏に対する薬物投与、栄養管理
  • 注意点:感染予防策(プリオンは通常の消毒で不活化されない)

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Alzheimer型認知症ゆっくり進行、記憶障害が中心MRIで萎縮、PSDなし
Lewy小体型認知症幻視やパーキンソン症状MRIで後頭葉優位萎縮
脳血管性認知症階段状進行、局所神経症状MRIで多発梗塞

補足事項

日本では散発性が多く、変異型は極めて稀である。医療従事者はプリオンの感染対策に十分注意する必要がある。治療薬の開発が国際的に進められている。

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