Bernard-Soulier症候群

概要

Bernard-Soulier症候群は、血小板膜糖蛋白(GPIb-IX-V複合体)の先天的異常によるまれな出血性疾患である。血小板機能障害と巨大血小板、血小板減少を特徴とする。常染色体劣性遺伝形式を示し、幼少期から易出血傾向がみられる。

要点

  • GPIb-IX-V複合体の異常により血小板の粘着能が障害される
  • 巨大血小板と血小板減少が特徴的である
  • 臨床的には皮下出血や粘膜出血などの易出血傾向を呈する

病態・原因

本症はGPIb-IX-V複合体の遺伝的欠損や機能異常により、血小板が血管内皮障害部位のvon Willebrand因子へ結合できなくなることで発症する。常染色体劣性遺伝が多いが、家族歴がない場合もある。

主症状・身体所見

代表的な症状は皮下出血、鼻出血、歯肉出血などの粘膜出血であり、外傷後の止血困難もみられる。血小板数減少とともに、末梢血塗抹標本で巨大血小板が認められる。

検査・診断

検査所見補足
末梢血塗抹巨大血小板の出現血小板減少も認める
血小板機能検査リストセチン誘発凝集低下ADP・コラーゲンには正常反応
フローサイトメトリーGPIb抗原の減少GPIIb/IIIaは正常

診断は血小板機能異常(特にリストセチン凝集不良)、巨大血小板、GPIb抗原低下を根拠に行う。遺伝子解析で確定診断となる。骨髄像では巨核球の異常は目立たない。

治療

  • 第一選択:出血時に血小板輸血
  • 補助療法:抗線維素溶解薬、止血剤の使用
  • 注意点:不要な侵襲・抗血小板薬の回避、HLA適合血小板の選択

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
Glanzmann病GPIIb/IIIa異常、リストセチン凝集は正常ADP・コラーゲン凝集低下、GPIIb/IIIa抗原低下
von Willebrand病血小板数正常、出血時間延長vWF抗原・活性低下、リストセチン凝集低下だが血小板は正常

補足事項

重篤な出血はまれだが、外科的処置や外傷時の管理が重要となる。血小板輸血による抗体産生・無効化に注意する。遺伝子診断の進歩により家族内発症リスク評価も可能となっている。

関連疾患